日産、脱「値引き販売」 最高齢SUVを9年ぶり刷新

2019/9/4 15:27
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日産自動車が値引き頼みの販売体質からの脱却を急ぐ。11月に小型多目的スポーツ車(SUV)「ジューク」を9年ぶりに刷新すると4日発表した。日産の主力車で全面改良の期間(車齢)が最長で、2010年の投入から初。車両本体の先進性をアピールし、人気のSUV市場でライバル車と競う。収益改善に向け新型車の投入が欠かせず、反転攻勢へのきっかけとしたい考え。

英国のサンダーランド工場で生産し、まずは11月から欧州圏で販売する。国内販売は未定だ。特徴的な外観は残しつつ、最新の運転支援技術やインターネット接続機能を搭載した。

運転支援技術「プロパイロット」も初採用した。高速道路の単一車線上で追従、走行位置の維持などをサポートする日産独自の先端機能だ。道路標識を認識したうえで、車速を調整する機能も盛り込んだ。米アップルや米アルファベット系の車載システムにも対応しており、スマホ向けアプリを車載のタッチスクリーンでも使える。

フロント部分は特徴でもある現行モデルの丸型ヘッドランプを引き継ぎながら、最近の日産車のアイコンでもあるV字型のグリルを採用した。車室でも荷室を20%広げるなど改善した。車体の骨格に高張力鋼板などを用い、重さも現行モデルから23キログラム減らした。電動モデルの設定は見送られた。

北米では後継車「キックス」を投入済みだが、日本と欧州では「ジューク」が継続して売られている。欧州では日産の域内販売の約1割を占めるほど根強い人気を持つ。ただ、グローバル販売は11年度の約24万台から18年度には10万台前後まで落ち込んだ。

人気が高い小型SUVでの先導車との位置づけだったが、競合のホンダ「ヴェゼル」、トヨタ自動車「C-HR」などに追い抜かれたかたちだ。改良を先送りにしたことが足かせだが、インセンティブ(販売奨励金)を積み増すなど値引き施策による「台数至上主義」の弊害でもある。

日産は経営再建の柱として、値引き販売で台数を稼ぐ手法からの脱却を進める。車齢が5年を超える「高齢車」には主力SUV「エクストレイル」などが残る。今後も順に刷新を続け、22年度までに主力車の平均車齢を現在の5年から3年まで引き下げる。(山本夏樹)

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