2019年9月23日(月)

台風21号被害の農家苦境 泉州ナスや和歌山ミカン

関西
2019/9/4 9:30
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ビニールハウスの建て直しが間に合わず、ハウス無しで栽培した水ナスの畑と農家の山本剛史さん(大阪府岸和田市)=共同

ビニールハウスの建て直しが間に合わず、ハウス無しで栽培した水ナスの畑と農家の山本剛史さん(大阪府岸和田市)=共同

昨年9月の台風21号で被害を受けた近畿地方の農家が苦境に立たされている。従来の収穫量が見込めず、ビニールハウスの修繕費も重い負担になっているためだ。台風に襲われてから4日で1年。「また災害があるかもしれないと思うと再建に乗り出せない」「でもやめるわけにもいかない」。農家から聞こえるのは不安の声ばかりだ。

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泉州水ナスで知られる大阪府南部の泉州地域も深刻な被害を受けた。同府岸和田市の農家、山本剛史さん(43)は、所有する六つのビニールハウスが全て損傷した。だが建て直すための費用は1棟1千万円近くかかる。

「修繕資金が足りず、借金した。返済だけで20年近くかかる」と山本さん。早くハウスを建て直したいが、工務店の人手不足で順番待ちが続く。発注していた約20万円分の苗木は植えることができず、廃棄せざるを得なかった。

同府貝塚市に住む40代男性の水ナス畑では、1400の株が400に。男性は「何のために働いてきたのか。ハウスの骨組みも折れたが、心も折れた」と声を落とした。

和歌山県によると、出荷量日本一の県産ミカンは今年、昨年比1割減になる見通しだ。台風21号で枝が折れたり実が落ちたりし、被害額は約9億3200万円に上った。同県有田川町の農家、森川文夫さん(70)は「今年は実が全くならない木も多い」とうつむいた。

農園の一部ではまだ木が倒れ、根元が見えたり、枝が折れたりしているものも残る。森川さんによると、1本の木においしいミカンが実るには約10年かかるという。今年は多くても昨年比3~4割しか収穫できない見込みで、500万円前後の損害を予想している。〔共同〕

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