北海道とJTB、人材確保へ連携 ホテルなどで就業研修

2019/9/3 19:17
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北海道はJTBと連携し、基幹産業の一つである観光業の人手不足の解消に着手する。10月以降に道内のホテルや観光施設など10社前後を受け皿として、観光業で働いてみたい人を派遣して研修を行う。研修後に正社員として引き続き働いてもらえるようにする。訪日客を中心に北海道を訪れる観光客が増える一方、深刻さを極める人手不足を補うのが狙いだ。

菓子などの土産物を大量に購入する訪日客(札幌市)

道は道内を中心に観光業に関心のある求職者を30人以上集め、道内企業で3カ月の職場研修を受けてもらう。研修期間中は受け入れる企業の負担と補助金を活用し、参加者には給与を支払う。

研修は2段階を予定する。過去に観光関連の仕事に就いたことがない人でも適応できるようにするため、まずは10月下旬をめどに観光全体の基礎的な知識を身につけてもらう。

11月からは実際の職場で実務研修も行う。参加者本人の希望も踏まえながら、道内のホテルやスキー場などの観光施設で仕事を体験する。例えばホテルでの接客や、観光施設の運営・管理などが予定されている。研修先として都市部だけでなく、外国人が多いリゾート地も視野に入れる。

道が観光で研修事業を始めるのは企業と働き手を結びつけるためだ。道は今回の事業で研修生を受け入れる企業のなかには、研修後に正社員として採用する意欲を持つ企業も多いとみている。観光の就労経験がない求職者にとっても、実際の職場で一定の期間働ければ仕事のやりがいや魅力を実感しやすい。

道は30人以上の研修参加者のうち、7割超にあたる23人以上を研修後に企業が正社員として採用するのを目標に掲げている。道と連携するJTBは道内のホテルや地域の観光協会などとのつながりが深く、こうした強みを生かして研修の受け入れに意欲的な企業を掘り起こす役目を担う。

北海道を訪れる観光客は年々増えている。18年度の国内外からの観光客は5520万人。特に訪日客が増えていて、18年度は前年度比12%増の312万人に上る。

その一方で、観光関連業の人手不足は深刻な状況にある。北海道労働局によると、7月の宿泊業の新規求人数は前年同月比8.5%増。飲食店も13.1%増で、同月の新規求人数全体の伸び率(4.6%増)を大きく上回る水準となっている。観光に密接な業種の多くで新たな人材を求める動きが強まっている。

北海道では過ごしやすい気候となる夏や、ウインタースポーツが盛んな冬に観光客が多く訪れるが、春や秋は落ち込む傾向にある。そのため観光業では非正規雇用で従業員を抱える企業が多いとされる。道は今回の研修で従業員の正社員採用を後押しする効果も期待している。(塩崎健太郎)

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