鹿児島銀、畜産ふん尿でバイオマス発電 環境省の支援事業に
鹿児島銀行は3日、鹿児島県南部の肝付町で畜産ふん尿をバイオマス発電原料として活用する事業構想が、環境省の支援事業に選ばれたと発表した。環境省が委託するコンサルティング会社が専門的見地から同事業の収益性などを調査。鹿児島銀は融資判断に役立てる。
環境省が初めて公募した「地域におけるESG金融促進事業」に採択された。畜産が主要産業の肝付町ではふん尿処理が大きな地域課題。バイオマス発電の原料にしてエネルギー地産地消の実現や、発電蒸気を活用する食品加工業誘致につなげる構想だ。肝付町や同町の地域新電力と連携し、IHIの技術協力を得ることを想定している。
鹿児島銀によると、家畜排せつ物を活用したバイオマス発電は北海道で先行しており、同行にはコスト試算など収益性を評価するノウハウの蓄積がない。三菱UFJリサーチ&コンサルティングが調査業務を担い、融資の可否を判断する。
事業が実現すれば、鹿児島銀は「肝付町モデル」として、営業エリア内での横展開を目ざす。本業を通じた地域課題の解決につなげる。
環境省は事例を公表し国内ESG金融の促進につなげたい考え。公募では鹿児島銀の他に、滋賀銀行や広島銀行など合計5行の事業を選んだ。