SBIHDの北尾社長「第4のメガバンク構想を実現する」
「フィンサム2019」開幕

SBIホールディングス(HD)の北尾吉孝社長は3日、「国内外の様々なフィンテックを活用し、地域金融機関と『第4のメガバンク構想』を実現していく」と述べた。日本経済新聞社と金融庁が都内で共催したフィンテックの活用をテーマにする「フィンサム2019」(3日開幕)の講演で語った。
SBIの構想によれば、持ち株会社はSBIが過半を出資する。大手銀行や有力な地方銀行、ベンチャーキャピタルにも出資を募る。SBIは支援先の地銀を対象にシステムなどのインフラや資産運用商品・サービスを提供したり、人材育成を支援したりすることを想定している。
北尾氏は「持ち株会社は地域金融機関に対してシステムを安価に提供する」と語った。地銀はシステム導入と定期更新に必要なコストが経営を圧迫しており「システム費を固定費から変動費に変え、高コスト体質を解決できる」とした。
SBIグループ、ベンチャー企業、地銀が共同で使えるシステムをクラウド上につくる。
地銀は資産運用のサービスや人材が不足していることも課題とされる。北尾氏は「SBIグループが運用を総受託し、地域金融機関の運用を高度化する場合もある」と語った。持ち株会社は共同のプラットフォームとしてマネーロンダリング(資金洗浄)対策、業務効率化につながるフィンテックも一体で導入する。内外の投融資先を紹介して地銀の収益力を底上げすることも探る。
SBIは地域金融機関との提携を急拡大してきた。2017年の清水銀行をはじめに、現在は35の地銀や信用金庫と金融商品仲介で提携している。地域金融機関は顧客をSBI証券のネット口座につなぐ。地銀とSBIの社員が常駐し、資産運用の相談に応じる共同店舗も増やし、9月に京葉銀行の本店に開く「マネープラザ」で7行目かつ7店舗目となる。