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香港長官、中国政府と市民の板挟み 「辞めたい」発言

3日、香港で、授業をボイコットして抗議活動に加わる学生ら=ロイター

【香港=木原雄士、北京=羽田野主】「逃亡犯条例」改正案をめぐる大規模デモが続く香港で、林鄭月娥・行政長官が中国政府と香港市民の板挟みになっている。ロイター通信は3日までに林鄭氏が非公開の会合で「選択肢があるなら、まず辞めて謝罪したい」と発言したと報じた。中国は辞任を認めれば反政府運動が勢いづくと警戒している。

「最近は外出するのも難しい。ショッピングモールやヘアサロンにも行けない」。ロイターは林鄭氏が経済人との会合で発言した内容を音声データつきで詳細に報じた。林鄭氏は3日、自らの発言と認めたうえで「中央政府に辞任を申し出たことはない」と述べ、行政長官の職にとどまる考えを示した。

ロイターは先に林鄭氏が中国政府に条例改正の撤回を具申したものの、却下されたとも報じた。中国は過激化するデモを旧ソ連や中東の国々で独裁政権などの崩壊につながった「カラー革命」の兆候と警戒しており、要求を受け入れないようクギを刺した可能性がある。

林鄭氏は7月に「条例案は死んだ」と発言したものの、デモ参加者が求める「完全撤回」という言い回しは拒否した。事態収拾の手段を封じられ「市民と対話する」などと繰り返すのみだ。

香港の行政長官は業界の代表が親中派の候補から選び、中国政府が任命する仕組み。中国の意に背く判断はできず、常に中国の顔色をうかがう傾向が強くなる。林鄭氏は非公開の会合で「行政長官は中国政府と香港市民という2人の主人に仕えなければならず、政治的な手段は非常に限られている」と漏らした。

中国政府で香港問題を担当する香港マカオ事務弁公室の徐露穎報道官は3日、北京市で記者会見した。香港行政長官に強大な権限を与える「緊急状況規則条例」の必要性を問われ、「中国政府は林鄭月娥行政長官が法に基づいて運用する一切の必要な手段を全力で支持する」と述べた。

香港に高度な自治を認める「一国二制度」のもと、抗議活動の矢面に行政長官を立たせる構図は変わっていない。

林鄭氏の支持率は歴代最低に落ち込み、問題解決に向けた妙手は見つからない状況だ。非公開の会合では1千~2千人と見積もる暴力を辞さない過激派を逮捕し続けるとの見通しを示したうえで「香港は病気にかかっているかもしれないが、まだ死んでいない」と述べたという。

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