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タレントパワー20代男優 菅田将暉1位、吉沢亮躍進

タレントパワーランキング2019 20代男優編

菅田将暉(26)が主演を務めたドラマ『3年A組―今から皆さんは、人質です―』は最終回で視聴率15.4%を記録、山崎賢人(24)が主演した映画『キングダム』は2019年上半期の邦画実写トップとなる興収50億円を突破。若手男優シーンを引っ張ってきた松坂桃李(30)、窪田正孝(30)、東出昌大(31)らが30代に。今、その次の世代が主役として、結果を残し始めている。そこで、日経エンタテインメント!が発表した「タレントパワーランキング2019年版」から20代男優を抽出してランキングにしてみた(本文ならびにランキング内の年齢は8月3日時点のもの)

スコアは小数点第2位で四捨五入。順位は第2位以下も含めてつけた。この1年間で俳優業を行っていない者は除いた(年齢は8月3日時点のもの)

タレントパワーランキングは、株式会社アーキテクトが3カ月に1度実施している、タレントの「認知度(顔と名前を知っている)」と「関心度(見たい・聴きたい・知りたい)」の調査を基に、2つのデータを掛け合わせて「タレントパワースコア」を算出、ランキング化したものだ。

今回は、19年5月調査のタレントパワーランキングから、19年8月3日時点で20代の男性俳優を抽出。表は、タレントパワースコアのトップ30までを掲載したものだ。この1年間で俳優業を行っていない人物は除外した。

20代で1位の菅田は全体でも5位

スコアは小数点第2位で四捨五入。順位は第2位以下も含めてつけた。この1年間で俳優業を行っていない者は除いた(年齢は8月3日時点のもの)

トップに輝いたのは、菅田将暉。この1年では、先の『3年A組』のほか、18年夏のドラマ『dele』でも主演。さらにこの7月26日には主演映画『アルキメデスの大戦』も公開された。作品ごとに、全く印象の異なる役を演じ分けており、実力・人気ともに20代俳優の筆頭と言っていいだろう。ちなみに、菅田は男性俳優全体のランキングでも大泉洋、阿部寛らに次ぐ5位につけている。

2位は、2歳で芸能界デビューしキャリアはすでに20年超えと、豊富な経験値を持つ神木隆之介(26)。19年2月公開の映画『フォルトゥナの瞳』では、他人の死が見える能力を持った主人公を好演。4月期のドラマ『集団左遷!!』では、主人公(福山雅治)の部下となる若手社員を、時にクールに特に熱く演じきった。

3位は山崎賢人。10年に俳優デビューし、一時期は王道の恋愛作品を中心に活躍したが、昨今は出演作品が多様化。18年夏の医療ドラマ『グッド・ドクター』では、自閉症スペクトラム障害を抱える小児科医を演じ、高い評価を得た。

なおトップ30を見ると、1位菅田、2位神木と同じ93年~94年生まれの俳優が13人も入った。4位の福士蒼汰(26)、5位の竹内涼真(26)、9位の中島健人(25)など、すでに主役クラスとしての地位を固める顔も多く、"男性俳優の当たり年"と言えよう。

同じく94年2月生まれで現在25歳の吉沢亮は、この1年で大躍進を遂げた1人だ。18年同期の調査と比べると12.3ポイントもスコアを伸ばし、8位にランクインした。18年は7本の映画に出演。さらに19年はNHK連続テレビ小説『なつぞら』と映画『キングダム』という、話題作2作で重要な役を務めている。

スコアは小数点第2位で四捨五入。順位は第2位以下も含めてつけた。この1年間で俳優業を行っていない者は除いた(年齢は8月3日時点のもの)

14位のKing & Prince平野紫耀(22)も大きく数字を伸ばした。18年は4月期の連ドラ『花のち晴れ~花男 Next Season~』でヒロイン杉咲花の相手役に大抜てき。18年3月と11月には恋愛映画『honey』『ういらぶ。』で主演を務めた。

この他では、30位の伊藤健太郎(22)が18年同時期のスコアから約3倍に。18年から19年にかけては、興行収入15億円突破の『コーヒーが冷めないうちに』など映画6作、ヤンキー役が話題を集めた『今日から俺は!!』(18年10月期)などドラマには10作も出演。知名度をしっかりと高めた。

このように続々と注目株が現れ、20代男性俳優の層はさらに厚くなっている。高いタレントパワースコアを得る彼らは、一体どのような作品への出演をきっかけに、人気や知名度を高めたか。いわゆる「登竜門」と呼ばれるような場は、今もあるのだろうか。

朝ドラの出演俳優に変化

表は、「20代男性俳優タレントパワーランキング」で上位に入った面々のスコアの推移を最大7年分示したもの。出演作品がスコアにどのような影響を与えているかを探るため、歌手活動の比重が高い人物は除外した。

男性俳優の登竜門といえば、『仮面ライダー』シリーズや『戦隊』シリーズを思い浮かべる人が多いだろう。菅田将暉が『仮面ライダーW』(09年)、福士蒼汰が『仮面ライダーフォーゼ』(11年)、志尊淳(24)は『烈車戦隊トッキュウジャー』(14年)に出演しており、確かに今でもその影響力は大きい。だが『仮面ライダー』&『戦隊』は、新人俳優がデビューのきっかけをつかんだり、役者として初期に経験を積む場という役割が強い。

タレントパワースコアの数値を目安に、新人俳優が1つ上のステージに進んだ時期のスコアを15(表では緑色)、さらに幅広く知られるようになった時期のスコアを20(黄色)として、前後の出演作を調べてみた。菅田将暉を例に挙げると、前者はドラマ『民王』に遠藤憲一とW主演した時期、後者はau「三太郎」CMに鬼ちゃん役で出演し始めた時期に当たる。

この表でまず目を引くのは、"朝ドラ"だ。古くから新人女優の登竜門として知られるが、昨今では男性俳優にとっても大きく知名度を上げるチャンスの場になっている。ただ、この数年で20代俳優たちが出演する"タイミング"に変化が見てとれる。

福士蒼汰は、13年上半期の『あまちゃん』にヒロイン能年玲奈の高校時代からの憧れの先輩役で出演し、スコアは5.6から19.2まで一気に上昇。15年上半期の『まれ』に出演した山崎賢人は、ヒロイン土屋太鳳の恋人役を務め、9.5から16.7までスコアを押し上げた。このように15年頃までは、スコア1桁台の新人に近い俳優が、ワンランク上に上がる(スコア15を超える)きっかけとして、朝ドラが影響している例が目立つ。

16年以降は、やや変化が見られ始めた。近年朝ドラは"イケメン祭り"とも言われるように、ある程度の知名度を備えた、旬の男性俳優を複数出演させる流れが強まっている。例えば、16年上半期の『とと姉ちゃん』でヒロイン高畑充希の青春時代を支える青年役を演じた坂口健太郎(28)は、出演時のスコアがすでに18.6。朝ドラをきっかけに22.1へと上昇した。

18年上半期の『半分、青い。』でも同様の例が見られる。ヒロイン永野芽郁と同じマンガ事務所の同僚を演じた志尊淳は、出演の前後で16.5から19.9へ、ヒロインの夫役を務めた間宮祥太朗(26)は13.1から19.3へとそれぞれスコアを伸ばした。朝ドラの役割は今や変わってきており、キャリアを重ねた俳優が多くキャスティングされ、出演をきっかけに老若男女にまで知られるレベル(スコア20)へと進むケースが増えているのだ。

現在放送中の『なつぞら』には、5月調査時点でスコア27の吉沢亮、20.6の工藤阿須加(28)、19.6の中川大志(21)らが出演。彼らが、人気や知名度をさらに上げることは確実だ。

男性コメディ作品が活況

13年から16年頃にかけての映画界では、少女マンガ原作の恋愛映画が興行収入の面で成果を残し、次々と制作されるブームが起こった。その結果、少女マンガ原作映画で知名度を上げる俳優が相次いだ。筆頭は、興収30億円超えの映画『orange』(15年)などに出演した山崎賢人だ。彼は16年5月にスコアを20の大台に乗せた。

しかし、近年はそのブームも下火に。代わって存在感を増しているのが、男性キャスト中心のコメディ作品(表では青色)だ。男子が数多く出演し、その関係性を見せることを意識した"男子団体芸"的な作品が近年広がりを見せ、そこからブレイクする俳優が増えている。

例えば竹内涼真は、生徒会長の座をめぐる争いを描いた学園コメディ映画『帝一の國』(17年4月公開)に出演した後に、スコアが16.2と上昇し15の壁を突破。この作品では他にも、主演の菅田将暉、野村周平(25)、間宮祥太朗といった同じ20代俳優らが複数出演し、この時期にスコアを伸ばしている。新田真剣佑(22)も、爆破事件を起こしてしまった高校生男子たちを描くギャグ系マンガ原作のドラマ『僕たちがやりました』(17年7月期)出演後に、スコアが17.7から21.3まで上昇した。

男性キャスト中心のコメディ作品のなかでも、注目したいのは福田雄一監督作品だ。SF時代劇ギャグコメディ『銀魂』シリーズ(17年・18年)や『斉木楠雄のΨ難(サイなん)』(17年)といった映画から、青春ヤンキーコメディー『今日から俺は!!』といったドラマまで、出演俳優が相次いでブレイクを果たしている。『今日から俺は!!』では主演の賀来賢人(当時29)、そして相棒を演じた伊藤健太郎、さらに彼らの敵役を演じた鈴木伸之(26)や磯村勇斗(26)まで、多くの20代俳優の飛躍の場となった。

18年4月期に放送され、社会現象となったドラマ『おっさんずラブ』も、"男子団体芸"的作品と言っていいだろう。「20代男性俳優タレントパワーランキング」で27位に入った林遣都(28)は同作で、メインキャストの1人である牧凌太役を演じ、出演後にはスコアが14.5から17.2に上昇した。

映画やドラマだけでなく、CMでも男性キャストが多く出演する作品の人気が高い。菅田将暉がブレイクを果たしたau「三太郎」シリーズCMは、まさにその代表例。最近でも、今年4月から放送がスタートした花王「アタックZERO」CMがある。洗濯好きな社会人サークル「洗濯愛してる会」のメンバーとして、松坂桃李、菅田将暉、賀来賢人、間宮祥太朗、杉野遥亮(23)の5人が出演。5月度CM好感度ランキングで、先のau「三太郎」をおさえて1位(CM総合研究所発表)を獲得。先輩俳優と共演を果たした杉野遥亮の知名度も上がっている。

(ライター 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2019年9月号の記事を再構成]

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