鉄道総研、燃料電池を小型化したハイブリッド電車

BP速報
2019/9/3 18:00
保存
共有
印刷
その他

日経クロステック

鉄道総合技術研究所は開発中の燃料電池ハイブリッド試験電車「R291」について、客室内に搭載していた主要機器を床下に移設したと発表し「鉄道総研技術フォーラム2019」(8月29~30日開催)で公開した。燃料電池モジュールの高出力密度化などにより機器を小型化した。空いた客室内スペースには通常の電車同様、ロングシートの座席を設けた。

燃料電池ハイブリッド試験電車の外観。従来は客室内に設置していた機器を床下に移した(写真:日経 xTECH)

燃料電池ハイブリッド試験電車の外観。従来は客室内に設置していた機器を床下に移した(写真:日経 xTECH)

■主要機器を床下に移設

燃料電池モジュールは出力を180キロワットへと1.5倍に向上する一方、高さ寸法を抑え、床下搭載に適した形状にした。体積は少し増えたが、出力当たりの体積は20%減らした。燃料電池用電力変換装置は炭化ケイ素(SiC)素子や小型遮断器を採用し、体積を45%減少。従来客室内で大きなスペースを占めていたこれらの装置を床下に搭載できたほか、バッテリーやラジエーターも移設した。

機器の配置の変更。燃料電池モジュールは高さ寸法を抑えながら高出力化、電力変換装置は体積を45%減らした(出所:鉄道総合技術研究所)

機器の配置の変更。燃料電池モジュールは高さ寸法を抑えながら高出力化、電力変換装置は体積を45%減らした(出所:鉄道総合技術研究所)

クヤR291-1の床下。手前から水素タンク(外箱のフタが開いている)、ラジエーター、燃料電池モジュール(写真:日経 xTECH)

クヤR291-1の床下。手前から水素タンク(外箱のフタが開いている)、ラジエーター、燃料電池モジュール(写真:日経 xTECH)

電車としての性能は向上させ、編成出力は従来の460キロワットから690キロワットへ増強。起動加速度は、従来がディーゼルカー並みの1.5キロメートル毎時毎秒だったが、改装後は通常の電車並みの2.5キロメートル毎時毎秒になる。

R291は、動力モーターを備える「クモヤR290-1」と動力がない「クヤR291-1」の2両編成。燃料電池(200~350ボルト)で生成した電力を昇圧回路を経てバッテリー(500~700ボルト)に充電し、モーターへはバッテリーからの電力をさらに1500ボルトに昇圧して供給する仕組み。2019年中に鉄道総研の所内で走行試験を開始する予定という。

(日経 xTECH/日経ものづくり 木崎健太郎)

[日経 xTECH 2019年9月3日掲載]

保存
共有
印刷
その他

日経BPの関連記事

電子版トップ



[PR]