ロシアとイラン、ペルシャ湾安保協力探る 米有志連合に対応

2019/9/2 22:20
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【モスクワ=小川知世】米国と対立するイランをロシアが擁護する姿勢を強めている。同国のラブロフ外相は2日、モスクワでイランのザリフ外相と会談し、中東・ペルシャ湾の安全保障を巡ってイランと連携を探る考えを示した。米国が日本などに協力を呼びかけている有志連合構想に対抗する動きで、中東での影響力を確保する狙いと見られる。

2日、モスクワで会談したロシアのラブロフ外相(右)とイランのザリフ外相=ロイター

会談ではイラン核合意やペルシャ湾情勢、シリア問題などを協議した。会談後の共同記者会見でラブロフ氏はロシアが国連などで提案したペルシャ湾での集団安保構想に触れ、「地域に関わる全ての国の利益に基づく合意を推進する」と述べ、イランを含む国際社会の連携を訴えた。ザリフ氏も「ロシアと考えが近い」と応じ、ロシア主導の安保構想を評価した。

イランは米国が提案した有志連合を警戒し、アラブ首長国連邦(UAE)など湾岸諸国との協力を打ち出し、構想の切り崩しを図っている。ロシア主導の構想との連携も探り、米主導の有志連合設立を阻止する構えだ。

会談では米国による対イラン制裁を回避するため、ロシアとイラン間で米ドルを使わない貿易取引を拡大することでも合意した。ラブロフ氏は「米国が状況を複雑にした」と述べ、イランがウラン濃縮度の引き上げなど核合意の逸脱に至ったのは、一方的に合意から離脱した米国の責任との主張を改めて展開した。イランは近く核合意からの追加的な逸脱措置を表明する見通しだ。

ロシアはシリアのアサド政権を支援し、同政権の後ろ盾であるイランと関係を深めた。フランスが仲介役を担うイランと米国の直接対話は調整が進むかは見通せない。ラブロフ氏によると、G7サミット前の仏ロ首脳会談ではイラン核合意を維持する方策を協議したという。ロシアには、イランとの良好な関係を欧米との関係修復の呼び水にする思惑もありそうだ。

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