トルコGDP1.5%減 4~6月、物価高で消費低迷
リラに再び下げ圧力 対米関係不透明に

トルコショック
2019/9/2 21:48
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【イスタンブール=木寺もも子】トルコ経済が低迷から抜け出せずにいる。トルコ統計局が2日発表した2019年4~6月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比1.5%減と、3四半期連続でマイナスだった。通貨安の影響で所得増を上回る物価高が続き、消費が低迷した。通貨急落の引き金となった対米関係の改善も進まず、景気の先行きは見通せない。

トルコのGDPの6割を占める個人消費は前年同期比マイナス1.1%だった。マイナス4.7%だった前期よりは改善したものの、インフレ率が15%超で推移しており、消費回復の足かせとなっている。

政府・民間による投資もマイナス22.8%と落ち込んだ。この数年、経済のけん引役となっていた建設業の低迷が目立った。通貨安とインフレに歯止めを掛けるために中央銀行が昨年、大幅利上げに踏み切ったため、投資と生産活動が鈍った。

景気を刺激したいエルドアン大統領の強い意向を受けて中銀は7月、金利を一気に4.25%引き下げ、19.75%とした。9月にも追加利下げが予想される。この結果、通貨リラは再び下落しており、足元では1ドル=5.8リラ台と、8月上旬から約7%下落した。

トルコ政府は19年通期の成長率を2%強と予想するが、ロイター通信がまとめたエコノミスト予測はゼロ成長にとどまる。TEBアセット・マネジメントのプナル・ウールオール氏は「為替相場が安定しなければ、プラス成長は難しい」と指摘する。

「トルコショック」と呼ばれる18年8月の通貨急落を機にトルコは景気低迷に陥った。米国人牧師の拘束をきっかけに米政府がトルコの閣僚らを対象とした制裁を発動したため、リラ売りが膨らみ、18年の対ドル相場は約3割下落した。

エルドアン大統領(左)とプーチン大統領(8月27日、モスクワ郊外)=AP

エルドアン大統領(左)とプーチン大統領(8月27日、モスクワ郊外)=AP

対米関係にはなお不透明感が漂っている。米下院外交委員会は8月27日、公式ツイッターで「トルコに制裁を科さなければいけない」とトランプ米大統領に呼びかけた。エルドアン氏が同日、モスクワでロシアのプーチン大統領と会談した際にロシアからの戦闘機の購入や共同生産の可能性について言及したことに反発した。

エルドアン氏は6月にトランプ氏と会談し、ロシア製ミサイル導入を巡る米国の制裁発動を回避したが、ロシアへの接近姿勢を強めれば、米議会で制裁論に再び火が付く可能性がある。

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