関東大震災の史料850点見つかる 軍のポスターなど

2019/9/2 10:16
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関東戒厳司令部のポスター(江戸東京博物館蔵)=共同

関東戒厳司令部のポスター(江戸東京博物館蔵)=共同

1923年9月1日に発生した関東大震災後に出されたポスターやビラ、被災者支援の案内など計853点の史料を江戸東京博物館(東京)が入手したことが分かった。内容は多岐にわたり、陸軍の近衛師団司令部のポスターなど希少な史料も含まれていた。

大震災当時の軍隊の動向を研究する横浜開港資料館の吉田律人調査研究員は「すぐに処分されてしまうポスターやビラが系統立てて保存されており、軍隊の動きや被災者の暮らしぶりを視覚的に伝える貴重な史料群だ」と評価している。

江戸東京博物館によると、東京都中野区の故人が被災直後から昭和期まで継続的に収集したとみられる。

大震災当時、ラジオ放送はまだなく、東京や横浜の新聞社が壊滅的な状態で、情報不足を補ったのがポスターやビラだった。通信網が寸断され、指揮命令系統の復旧に当たった近衛師団が出したポスターは「警備上最も重要な軍用電信電話線」の保護を訴えた。通信を妨害すると罰せられると警告しながら、焼け跡の整理や新たな建築の際に電線が邪魔になる場合は「便宜を取計います」と丁寧に対応している。

近衛師団の上部組織の関東戒厳司令部はビラで「病気のお方は次の救護所へ」と両国国技館や芝公園などを案内。別のポスターには、被災地を流れる川の上に「→地震→火事→伝染病」と書かれ、「飲食物ニ御注意」と呼び掛けている。

この他、出産を無料で手助けする産院の案内や、被災者向け理髪割引券、コメ・寝具の給与券などもあり、さまざまな形で被災者支援が行われたことが分かる。

被災の経験を生かそうとする試みもみられ、東京市役所のポスターには「避難した方々に! あなたが避難された道筋や途中で障害や助けになつた事柄を御知らせ下さい。帝都復興のために!」と書かれている。

江戸東京博物館は、今回の史料を使った企画展を開く予定はないという。〔共同〕

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