アルゼンチンが資本規制 ペソ急落で外貨購入を制限

2019/9/2 8:50
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アルゼンチンのマクリ大統領(左)とラクンサ財務相(8月20日、ブエノスアイレス)=ロイター

アルゼンチンのマクリ大統領(左)とラクンサ財務相(8月20日、ブエノスアイレス)=ロイター

【サンパウロ=外山尚之】アルゼンチン政府は1日、外貨の購入を制限する資本規制を導入すると発表した。通貨ペソの相場下落への対応で外貨準備の減少が続く中、マクリ大統領の看板政策だった為替取引の自由化を撤回する。経済混乱が続く中、マクリ政権は対外債務の返済の猶予申請などなりふり構わぬ姿勢をとっている。

資本規制では、個人が1カ月につき1万ドル(約106万円)を超える外貨を購入する際、当局の許可を必要とする。企業や法人の外貨購入も許可制とする。ドルへの両替を規制することでドル買い・ペソ売りに歯止めを掛け、ペソ相場の下落を防ぐ狙いだ。

10月の大統領選で財政規律を無視する左派系の候補が優位に選挙戦を進める中、為替市場ではペソが売られ、8月30日の終値は1ドル=59.5ペソと、1カ月で約26%の下落を記録した。中央銀行は通貨下落を防ぐためにドル売り・ペソ買いの市場介入を実施しており、外貨準備は大幅に減少。政府が8月28日に対外債務の返済猶予の申請を発表するなど、追い詰められていた。

アルゼンチンでは15年12月にマクリ氏が大統領に就任した。左派政権が導入していた資本規制について「誤りだ」として真っ先に撤廃した。こうした姿勢は国内外の投資家に高く評価された。

一方、過去に8度のデフォルト(債務不履行)を起こしたアルゼンチンでは自国通貨を信用する国民が少なく、有事の際のドル買いを促進させていた。

米格付け大手S&Pグローバル・レーティングスは29日、アルゼンチンの短期国債の格付けを「シングルB」からデフォルト(債務不履行)を意味する「D」に格下げした。30日にデフォルト状態が解消されたとして「シングルC」としたものの、市場ではデフォルトを警戒する声が強まっている。

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