ドイツ州議会選、極右政党が躍進 第1党に迫る

2019/9/2 3:26 (2019/9/2 9:03更新)
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ドイツ州議会選挙でAfDが躍進した=ロイター

ドイツ州議会選挙でAfDが躍進した=ロイター

【ベルリン=石川潤】ドイツのザクセン州、ブランデンブルク州で1日投開票された州議会選挙で、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が第2党に躍進した。両州は旧東独地域で、旧西独との経済格差や難民問題に不満を持つ層の受け皿になった。極右政党に第1党を奪われる事態は何とか回避したが、メルケル政権を支える二大政党の退潮は止まらず、国政にも影響が広がる可能性がある。

AfDのガウラント党首は1日夜、「とても満足だ」と語った。AfDが支持を伸ばしたのは、二大政党であるキリスト教民主同盟(CDU)とドイツ社会民主党(SPD)への不信感の裏返しだ。旧東独の経済は改善しているが、失業率や給与水準で旧西独となお格差が残る。15年の難民危機で流入した外国人が自分たちよりも手厚く保護されているとの疑念や、外国人犯罪の増加への不安も二大政党離れにつながった。

AfDは「我々こそ人民だ」というベルリンの壁が崩壊した1989年当時のスローガンなどを使って、当時と現在の状況を重ねるキャンペーンを展開。自分たちが「2等市民」扱いされているとの意識が残る旧東独市民に変革を訴え、支持拡大につなげた。

選挙管理委員会の暫定結果によると、ザクセン州でAfDの得票率は前回2014年の3倍近い27.5%に上昇した。メルケル首相のCDUの32.1%(14年比7.3ポイント減)に迫った。CDUと国政と同州で連立を組むSPDは7.7%(同4.7ポイント減)で、第5党に沈んだ。

ブランデンブルク州でもAfDは23.5%(同11.3ポイント増)の得票率で、同州で政権を握るSPDの26.2%(同5.7ポイント減)に近づいた。直前の世論調査ではAfDとSPDの支持率がほぼ並んでいたが、極右の第1党を防ごうとする動きが広がり、SPDが最終盤でやや盛り返した。

CDU、SPDは5月の欧州議会選挙に続き、退潮に歯止めをかけられなかった。今回の選挙は旧東独特有の事情だけでない。都市部で環境政党の緑の党が票を伸ばすなど、既存政党への不信感が強くにじんだところに問題の根深さがある。

特にSPDでは国政で大連立政権に参加していることが党の存在感を失わせているとして、連立離脱論が高まっている。再統一以来守ってきたブランデンブルク州での第1党の座を失うという最悪の事態は避けられたが、10月の党首選に向けて予断を許さない状況が続く。メルケル政権の基盤は揺らぎつつある。

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