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大谷、ボール球をヒットにする妙技 その表と裏
スポーツライター 丹羽政善

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2019/9/2 5:30
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「これが最後か?」

帰る前、記者席からの眺めをカメラに収めていると、後ろから声をかけられた。レンジャーズの名物広報部長ジョン・ブレイクである。

彼が言う通り、そこからの景色はおそらく見納め。テキサス州アーリントンにあるグローブライフ・パークもあと1カ月ほどでその役目を終え、レンジャーズは来年から、南側に建設中の新球場に本拠地を移す。どうだろう。足を運んだ回数だけでいえば、もちろん、Tモバイル・パーク(旧セーフコ・フィールド)が一番多いが、2番目がグローブライフ・パークではないか。2001年からイチロー(現マリナーズ会長付特別補佐)の取材で年に数回は訪れ、ダルビッシュ有(現カブス)がレンジャーズと契約してからは、月に何度も来るようになった。

イチローの日米通算3000安打など日本選手のハイライトの舞台となったグローブライフ・パークは2019年限りで役目を終える

イチローの日米通算3000安打など日本選手のハイライトの舞台となったグローブライフ・パークは2019年限りで役目を終える

ただ、エンゼルスの遠征に帯同した今回が、これから何か突発的なことでも起こらない限り、最後になる。あれだけ通ったこの球場にももう、足を踏み入れることはない。

もっとも、感傷的になるほど、いい思い出があるわけではない。日本でいう"ゲリラ豪雨"が多く、しばしば試合が中断される。試合開始が遅れることも多く、午後9時過ぎから試合が始まったことも。また、夏場は気温が40度を超える。一方で室内はこれでもか、というくらい冷房が効いている。もちろん、いちばん大変なのは選手だが、自然に振り回されることが少なくなかった。

■日本選手と縁のある球場

一方で、日本人選手のハイライトと結びついている。2008年7月29日、イチローが日米通算3000安打を記録したのは、テキサスだった。9年連続200安打をマークしたのも、同地である。また、14年5月9日にダルビッシュがあわやパーフェクトかという快投を演じたこともあった。単純に訪れた回数が多い、ということもあるが、なかなか見られない光景に立ち会ってきた。

大谷翔平(エンゼルス)とのエピソードはまだデビュー2年目ということもあって多くはないものの、昨年9月の数日は、濃厚だった。

昨年9月2日、大谷は投手としておよそ3カ月ぶりの復帰をヒューストンで果たしたが、右肘に張りを感じ、3日後に検査を受けた結果、右肘の側副靭帯に新しい損傷があることが発覚。「手術が必要になると思われる」と球団から発表されたのが、次の遠征地のアーリントンだった。ところが大谷は、検査前日にホームランを放っており、手術の勧告を受けた日もスタメンに名を連ね、2本塁打を含む4打数4安打、3打点、4得点の活躍。「あいつは本当に手術が必要なのか?」という声が、方々から漏れた。

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