関税「第4弾」、アップル製品の6割強に影響

2019/8/31 23:00
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【シリコンバレー=白石武志】トランプ米政権が9月1日の発動を予定する対中制裁関税「第4弾」で最も大きな影響を受ける米国企業の一つが米アップルだ。これまでもマウスなど一部の周辺機器が追加関税の対象となっていたが、9月以降は米国で販売中の約50品目のアップル製品のうち、スマートフォンやノートパソコンなどを除く6割強に15%の追加関税が課される。業績の重荷となるのは避けられない。

アップルウオッチなどが影響を受ける

アップルウオッチなどが影響を受ける

約1100億ドル(約12兆円)分の中国製品を狙った対中関税第4弾のうち、個別品目で最も割合が多いのはスマートウオッチなどの「電話機部品」だ。2018年の中国からの輸入額は46億ドル。アップルの「Apple Watch」は米国のスマートウオッチ市場で約5割のシェアを握っており、この分野でも最も大きな影響を受けることになる。

第4弾にはアップルのスマートスピーカー「HomePod」やワイヤレスイヤホン「AirPods」なども含まれる。こうした周辺機器部門の2019年4~6月期の売上高は55億2500万ドルと前年同期に比べ48%増加した。売上高全体に占める割合は10%にとどまるものの、主力の「iPhone」の売上高が12%減の259億8600万ドルに落ち込む中で貴重な成長領域となっている。

12月15日にはほぼ全ての中国製品に15%の追加関税が課される見通しで、iPhoneなどの主力商品も例外ではなくなる。アップル株を分析する米証券会社ウェドブッシュのダン・アイブス氏はアップルは増税分を小売価格に転嫁せず「自社で吸収する可能性が高い」とみており、20年以降に最終利益を押し下げる要因になると予想する。

制裁関税が米国景気に跳ね返るシナリオは、米政権の望むところではない。8月16日にティム・クック最高経営責任者(CEO)と夕食をともにしたトランプ米大統領は会談後、記者団に「アップルは米国のすばらしい会社だから、短期的には彼を助けなければならない」と述べている。発動回避を求めるアップルと米政権の間で、今後もぎりぎりの対話が続くことになりそうだ。

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