インド成長率、4~6月期5% 10国営銀行統合へ

2019/8/30 23:06
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【ニューデリー=馬場燃】インド統計局が30日発表した2019年4~6月期の実質成長率は前年同期比5.0%と、1~3月期の同5.8%から減速した。米中貿易摩擦による世界経済の低迷を受け、消費と輸出が急速に落ちこんでいる。金融機関の貸し渋りが景気を下押しする一因だとして、インド政府は同日、10国営銀行を4行に統合する案を公表した。

インドでは自動車の販売が落ち込んでいる=ロイター

成長率が2四半期連続で6%に届かないのは13年1~3月期以来で、14年に始動したモディ政権では初めてだ。成長率は18年1~3月期の8.1%を直近のピークに減速している。

インドレーティング・リサーチのスニル・シンハ氏は「個人消費が弱く、米中貿易摩擦の高まりが輸出や製造業を下押ししている」と話す。

国内総生産(GDP)の6割を占めるインドの個人消費は19年4~6月期に前年同期比3.1%増に鈍化した。これまで人口増を背景に内需が成長をけん引してきたが、失業率は過去45年で最も悪い水準にある。賃金が伸び悩み、消費にお金が回りにくい構図となっている。インドの新車販売は7月に前年同月比30%減と落ちこんだ。

輸出は5.7%増にとどまり、製造業は0.6%増と横ばいだった。主力の自動車産業では雇用削減の動きもみられる。インド投資情報機関のアディティ・ナヤール氏は「投資や建設が全体的に滞っている」と話す。

シタラマン財務相は30日、GDP発表に先立ち金融市場のテコ入れ策を示した。自動車ローンなどを扱う金融機関の貸し渋りもあり、経済全体のお金の流れが悪くなっているためで、現在18ある国営銀行のうち、地域が近い10行を4行に集約する案を発表した。

インド政府は23日にも景気刺激策を打ち出した。海外投資家に課す関税の免除や自動車の買い替え支援などで、モディ政権が景気低迷に強い危機感を抱いていることがうかがえる。

カシミール地方を巡るパキスタンとの緊張関係が高まり、モディ政権は経済、外交両面で難しいかじ取りを迫られている。

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