日米租税条約、署名から6年で発効 貸し付け利払い免税に

2019/8/30 13:53
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日米両政府が30日、改定日米租税条約の批准書を交換し、同条約が署名から6年でようやく発効した。新条約は日米間の貸し付けに伴う利払いへの課税をゼロにするほか、税務紛争が発生したときの仲裁制度も新設する。日米で企業が活動しやすくする狙いだ。日米当局が税務調査に協力し合う義務も設け、複雑化する国際税務にも対応する。

新条約では企業が海外への投融資で得た所得への源泉課税について、免税措置を充実させた。株式の配当が免税になる条件を緩和したほか、貸し付け利子に対する税金はこれまで10%がかかっていたものを原則免税とした。11月からの支払い分が対象になる。

例えば日本企業が米国に進出する際、初期段階で日本から米国法人に貸し付けの形で資金を供給しやすくなる。米国企業が日本に進出する際も同じ扱いになる。

新条約では日米両政府で税金の「取り合い」が生じた時の仲裁制度も新設した。二重課税を受けた企業が日米両政府に協議を通じた解決を申し立てた後、2年以内に問題が解決されなければ、第三国の専門家らで作る仲裁委員会で解決できる。

日米が新条約の交渉を始めたのは2011年で、13年には署名にこぎ着けていた。日本の国会では13年6月に条約を承認したが、米議会での手続きが進まず6年も棚ざらしになっていた。

原因となったのは共和党のポール上院議員で、同氏は「税務当局同士の情報交換によって米国市民のプライバシー権が侵害される」と主張。租税条約の見直しに反対していた。条約を扱う上院外交委員会は全会一致が慣例で、日本以外もスペインやスイスなどの租税条約が足止めされていた。共和党上院トップのマコネル院内総務が異例の多数決を決めたことで、7月に議会を通過していた。

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