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中村、J2で新たな一歩 セットプレーに存在感

2019/8/31 2:00
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サッカーの元日本代表、中村俊輔(41)がJ2で新たな一歩を踏み出している。7月にJ1磐田から横浜FCへ移籍。5月の負傷からは復調しつつあり、J1昇格を射程にとらえるチームに貢献するすべを探っている。

横浜FCに移籍した中村は14日の天皇杯での横浜M戦でフル出場した=共同

横浜FCに移籍した中村は14日の天皇杯での横浜M戦でフル出場した=共同

横浜FCで初めての先発となった14日の天皇杯でフル出場。横浜で育ち長らく横浜Mの顔だった「シュンスケ」をひと目見ようと駆けつけたファンも多かったのだろう。J1横浜M対横浜FCというダービーともあって会場は満員御礼だった。

今季は磐田の開幕節で54分間プレーしたのが最長で、磐田での出場は2試合で計65分。14日のフル出場は小さくない一歩といえる。横浜FCでリーグ戦での先発はまだないが、24日は交代出場で21分間プレー。練習試合でも過不足なく動ける状態にはなっている。

プレーがキレキレとは言い難い。それでも、先発で共演した52歳の三浦知は「俊輔がいることで試合が落ち着いた」と話した。ボールを止める、置く技術が確かで、そうやすやすとは奪われない。中村のところで時間が生まれ、流れが変わる。

そうやってボールを持つことで違いを生み出せる名手が、あえて簡単にプレーしているようにみえた。「(今の)チームはできあがっている。自分の色に染めるのじゃなく、今の色に自分がどう染まっていくか」。横浜FCはサイドなどを経由してよどみなく前方へパスをリレーするやり方が確立している。それを乱さず、調和しながら、自分特有のものも発することに心を砕いている。

CK、ゴールに近いFKはすべて託された。「セットプレーはキッカーとGKの1対1の世界」とかつて語っていた。そこでは誰にも邪魔されず、伝家の宝刀ともいえる左足を思う存分に繰り出せる。下平監督は当初は途中交代させる考えのところを、「一発がある彼の武器をピッチに残したかった」と明かした。

ここ11戦負けなし(9勝)、自動昇格できる2位と勝ち点1差にまで迫る横浜FCの先発陣に割って入るのは簡単ではなさそう。ただ、FKやクロスで左足を振れる機会が少なくないことを考えれば、中村の存在は大きい。

「もっと(人が)動かずに、ボールを動かせるかも」「SBをどう使うかなどで、もっと効果的に攻められるかもしれない」。1つの質問に10の返答をしそうなくらい、プレーのイメージが楽しげにあふれ出る。理詰めでサッカーを組み立てるこの人らしさは、J2でも変わらない。

(岸名章友)

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