鉱工業生産1.3%上昇 7月、輸出品の回復鈍く

2019/8/30 11:01
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経済産業省が30日発表した7月の鉱工業生産指数速報(2015年=100、季節調整値)は前月比1.3%上昇の102.7だった。上昇は2カ月ぶり。自動車などの生産が増加に転じた。ただ、6月が3.3%低下していたことを踏まえると、輸出が多い品目を中心に回復が鈍い。経産省は基調判断を「一進一退」で据え置いた。

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7月の上昇率はQUICKがまとめた民間予測の中心値(0.3%上昇)より大きかった。業種別では15業種中11業種が上昇した。上昇への寄与が最も大きかったのは自動車で、前月比2.1%上昇。国内向けの新車販売が堅調だった。新製品の増産があった化粧品などの化学も、同4.7%の上昇と伸びが目立った。

もっとも、7月の増産は6月の大きな落ち込みからの反動の面がある。自動車は6月に8.4%の減産になっていた。輸出が多い品目では、半導体製造装置などを含む生産用機械が6月に6.9%の低下だったのに対し、7月は0.7%の上昇にとどまるなど戻りが鈍い。電子部品・デバイスも0.6%の上昇と低調だ。

財務省が発表した7月の貿易統計では中国向け輸出が半導体関連を中心に大きく落ち込んでいる。生産でも中国経済の減速が響いているもようだ。SMBC日興証券の宮前耕也氏は「製造業は米中貿易戦争に備え生産活動を抑制しており、生産は低迷が続きそう」としている。7月の生産指数そのものも4~6月期の水準(103.0)を下回っており、増産基調に転じたとは言えない。

メーカーの先行き予測をまとめた製造工業生産予測調査によると、8月は前月比1.3%上昇、9月は1.6%低下を見込んでいる。経産省は8月の伸びについて「大型案件や納期のずれによる影響」と指摘した。その上で「8月の伸びも小さく、先行きは引き続き注視する必要がある」としていた。

10月に予定している消費税増税をめぐっては、「駆け込み需要に備えた増産などは出ておらず、企業からも8~9月について影響があるとの声はない」(経産省)とした。日本が7月から韓国向けの輸出管理を強化した影響についての言及も、企業側からはなかったという。

出荷指数は2.6%上昇し102.4、在庫指数は0.3%低下し104.4だった。出荷は2カ月ぶりに伸び、在庫は6カ月ぶりに減少した。もっとも、みずほ証券の末広徹氏は「輸出が伸び悩む中で在庫の水準は高く、今後の生産が抑制される可能性がある」と指摘している。

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