羽田新ルート飛行検査開始、住民ら「万全の対策を」

2019/8/30 10:01
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都心上空から羽田空港のC滑走路へ向かう新ルートを飛行検査する小型機(30日午前)=藤井凱撮影

都心上空から羽田空港のC滑走路へ向かう新ルートを飛行検査する小型機(30日午前)=藤井凱撮影

羽田空港の国際線増便に向け、都心上空を通過する新飛行ルートの飛行検査が30日始まり、新ルートを航空機が初めて飛んだ。国土交通省は小型ジェット機による検査を重ね、旅客機による試験を経たうえで2020年3月に運用を始める。初日は悪天候のため予定していた一部の検査を中止した。

30日午前6時半と同50分ごろ、空港の北西約7キロメートルの大井ふ頭(品川区)にある団地の上空を全長16メートルの小型ジェット機が通過した。同地区での高度は約300メートル。交通量が多い時間帯だったが、キーンという音が地上からも聞こえた。

近くのマンションに住む会社員の女性(58)は通勤前で自宅にいたが「飛んでいることには気づかなかった」。新ルートの運用が始まると、昼間に小型機の約4倍の大きさの旅客機が飛ぶこともある。女性は「落下物など安全対策はしっかりしてほしい」と話した。

飛行検査では東京23区北西部から羽田の滑走路に向かうルートを2度飛行した。雨が強まったため、予定より1時間ほど早く終了した。検査は管制など保安施設の稼働状況を確認するのが目的で12月下旬まで継続する。

新ルートは南風時の午後3時~7時、埼玉県南部の上空を通過し、23区を北西から南東に縦断する。羽田の国際線発着数は1日当たり50便追加され、現在の年6万回から9万9千回に増える見込み。20年1月に旅客機による試験飛行を行い、同3月29日から新ルートの運用を始める。

新宿区で約1000メートル、渋谷区で約700メートル、品川区で約300メートルの低空を飛ぶルートに、騒音や落下物などへの住民の不安は残る。品川、渋谷両区議会では3月に全会一致で計画見直しなどを求める決議や意見書が成立した。ルート下の住民らでつくる団体も「地元の理解は得られていない」と反対を続ける。

航空行政に詳しい一橋大の山内弘隆特任教授は「国は騒音や落下物の対策について住民らに丁寧な説明を続け、政策への理解を求めるとともに、運用が始まっても航空会社に騒音を抑えた飛行を徹底するよう指導していくべきだ」と話す。

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