中国進出の米企業にジレンマ、5割「報復関税で販売減」

2019/8/30 6:19 (2019/8/30 19:48更新)
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【ワシントン=鳳山太成】中国に進出する米国企業が米中貿易戦争でジレンマを抱えている。米企業の5割が「中国の報復関税で売上高が減った」とする調査結果が29日発表された。悪影響を懸念しつつも、中国の構造問題を是正しようとするトランプ政権の姿勢自体は支持する。産業界は対話を通じた解決を呼びかけるが、交渉再開のメドは依然立っていない。

米企業は対話を通じた解決を呼びかけている(7月、上海で開いた米中閣僚協議)=ロイター

米企業は対話を通じた解決を呼びかけている(7月、上海で開いた米中閣僚協議)=ロイター

「シェアを失うのは簡単だが、取り戻すのは難しい」。米中ビジネス評議会のクレイグ・アレン会長は29日の記者会見で、米企業の競争力が貿易戦争で落ちていることに危機感を表した。同評議会にはアップルやゼネラル・モーターズ(GM)など米国を代表する約220社が加盟する。

6月に実施した年次調査結果によると、回答者の37%は「中国企業が米国企業との取引を懸念して販売減につながった」と明らかにした。前年調査の6%から大きく増えた。追加関税だけでなく、米中両政府のにらみ合いが間接的にも事業活動を萎縮させている。

米産業界は関税に反対する一方、中国の不公正な貿易慣行を正そうとするトランプ政権の意図には理解を示す。調査では、中国で事業を展開する上で「許認可で不利な扱いを受けている」との返答が47%に上った。国有企業の優遇を求める中国政府の圧力を感じた米企業も3割あった。過剰な補助金や外資規制にも不満が根強い。いずれも米中協議の主要議題だ。

中国の事業展開を見直しつつも、完全に背を向けるわけにはいかない実態も浮かぶ。過去1年で対中投資を減らしたり中止したりした企業は17%と前年の2倍に増えた。13%は中国以外に事業を移管したか、計画中だという。それでも今のところ中国事業で利益を上げる企業は97%に達しており、大半は事業を続ける構えを崩していない。

米中両政府による新たな関税発動が9月1日と目前に迫る中、産業界が求めるのは関税撤回と貿易協議の再開だ。アレン会長は29日の会見で「交渉のテーブルに戻ることが急務だ」と訴えた。全米商工会議所のドナヒュー会頭も同日の米紙寄稿で第4弾の取り下げと交渉再開を求めた。

9月上旬としていた閣僚級協議の日程はいまだに定まらない。中国商務省の高峰報道官は29日、交渉再開の条件として第4弾の撤回を米国に突きつけた。26日に協議再開を表明したトランプ大統領も29日のラジオでは「様々なレベルで話し合っている」と述べるにとどめた。

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