米、メタン規制を緩和へ 環境保護からエネ開発へ転換

2019/8/30 6:00
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【ワシントン=鳳山太成】トランプ米政権は29日、原油やガスの掘削で漏れるメタンガスの排出規制を緩和すると発表した。環境保護より経済成長を重視する現政権の規制緩和の一環で、漏洩対策にかかるコストを減らしてエネルギー開発を促す。ただメタンは温室効果が高く、地球温暖化につながる可能性がある。野党・民主党や環境団体が反発を強めそうだ。

米環境保護局(EPA)は規制見直し案を発表した。深刻な大気汚染を引き起こす恐れがないとの理由で、メタンの漏洩対策を施す必要がある対象から、石油・ガス掘削に使う貯蔵装置などを外す。産業界など一般から2カ月間意見を募ったうえで正式に決める。

ウィーラーEPA長官は声明で「不要で重複する規制を石油・ガス産業から取り除く」と強調した。EPAによると、業界全体で年1700万~1900万ドル(約18億~20億円)のコスト節約になるという。他の汚染物質の排出規制により、同時にメタン排出の増加も抑えられるとしている。

世界銀行などによると、2012年のメタンの排出量は中国が最大で、米国はインド、ロシアに次いで4番目に多い。環境保護団体などが提訴する可能性があり、規制が実際に見直されるまでには曲折も予想される。

米エクソンモービルや英BPなど大手エネルギー会社は環境保護を重視してメタンの漏洩対策を進めており、連邦政府の排出規制も支持してきた。一方、中小のエネルギー会社は対策コストの負担が大きいとして規制緩和を求めていた。

トランプ米大統領はシェール革命で増える米国の原油・ガス生産を後押ししている。地球温暖化問題に懐疑的で、環境保護を優先課題に掲げたオバマ前政権下の規制を次々と撤廃したり緩和したりしてきた。

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