コロンビア、元ゲリラ幹部が武装闘争復帰を宣言

2019/8/29 23:54
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【サンパウロ=外山尚之】南米コロンビアで29日、左翼ゲリラのコロンビア革命軍(FARC)の元幹部が政府との和平合意を破棄し、武装闘争へ復帰すると宣言した。コロンビアでは政府とFARCの内戦が半世紀以上続き、2016年に和平合意したばかりだった。大半のゲリラ兵は和平を維持するとしているが、武装闘争に同調する動きが広がれば、内戦が再燃する恐れもある。

29日に公開された動画で、武装闘争への復帰を宣言する元FARC幹部のイバン・マルケス氏(写真中央)

FARCの元ナンバー2で、かつてコロンビア政府との和平交渉を担当したイバン・マルケス氏が「世界中の人々は抑圧に立ち向かうため武器をとる権利を持っている」として、政府に対する武装闘争の再開を宣言する動画を公表した。現在も同国で政府へのテロ行為を繰り返すゲリラの民族解放軍(ELN)との連携も視野に入れるとしている。

今後、焦点となるのが元ゲリラ兵たちの動向だ。元FARC最高司令官のロンドニョ氏はツイッターに「90%以上の元ゲリラ兵は合意へのコミットを続ける」と投稿し、和平合意を維持する方針を示したが、2000人以上の元ゲリラ兵がマルケス氏に同調しているとの報道もある。マルケス氏が投稿した動画には迷彩服に身を包んだ20人超の人々が並び、一部は銃を持っていた。

FARCは16年、サントス大統領(当時)との交渉の末、和平実現で合意。交渉を主導したマルケス氏は「武器による戦いは終わった」と宣言した。17年には国連の監視の下で武装解除が完了し、元ゲリラ兵たちは社会復帰を進めていた。サントス氏は和平の実現を受け、ノーベル平和賞を受賞している。

しかし、過去の犯罪行為を不問にするほか、政府の金銭的な支援といったゲリラへの寛大な処置に国民が反発。和平合意が国民投票で僅差で否決されたにもかかわらず、サントス氏が議会採決で合意署名を強行した手法も反感を呼び、18年6月の大統領選では和平交渉に懐疑的な姿勢を示すドゥケ氏が当選した。FARCの元メンバーが相次いで殺害される事件が発生するなど、和平合意そのものに懐疑的な雰囲気も漂っていた。

コロンビアは独裁政権の誕生で政情混乱が続くベネズエラと国境を接しており、ELNなど一部のゲリラはベネズエラの領土でも活動しているとされる。ゲリラは麻薬の製造や流通に携わっており、地域の不安定化が進む可能性もある。

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