サウジアラムコ、東京への上場を再検討 米紙報道

2019/8/29 23:23
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サウジ政府はアラムコの企業価値を2兆ドル以上と見込む=ロイター

サウジ政府はアラムコの企業価値を2兆ドル以上と見込む=ロイター

【ドバイ=岐部秀光】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は29日、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが、2020年以降に実施する新規株式公開(IPO)で東京市場への上場を再検討していると報じた。サウジ政府が企業価値2兆ドル(約212兆円)以上を見込み、世界の民営化史上最大の案件とされるアラムコのIPOは世界の有力市場が誘致競争を繰り広げた。日本は事実上、選択から外れたとみられていた。

同紙によると、サウジはIPOを国内と国外での2段階で実施することを検討しており、年内にも国内で株式を公開する。20年か21年に国外市場に上場する予定だ。

東京が再び候補となったのは、英国や中国の政治の行方が不透明になり、実施を見込んでいたロンドンや香港市場での上場の魅力が小さくなったためという。英国による欧州連合(EU)離脱の混乱や香港における民衆デモが影響したとみられる。

ニューヨーク市場は当初、有力上場先として検討対象となったが、米国での訴訟リスクが障壁となっている。オバマ政権時代に成立した「テロ支援者制裁法(JASTA法)」が2001年の米同時テロの遺族らにサウジ政府に対する損害賠償請求への道を開いたためだ。同テロでは実行犯19人のうち15人がサウジ人だった。アラムコによる米国でのIPOは格好の標的になるとの見方が少なくない。

実力者ムハンマド皇太子は石油に頼らない国づくりに向けた改革を進めており、アラムコのIPOはその目玉とみられた。ただ、サウジ国内の政治混乱などからIPOは事実上の棚上げに追い込まれている。皇太子はIPO計画をなるべくはやく再始動させたい立場だ。

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