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IT農業やドローン測量 愛媛企業、G20会合で技術PR

大型ドローンを開発中の松山ドローンサービスの小笠原英之社長(松山市)

松山市で9月1~2日、20カ国・地域(G20)労働雇用相会合が開かれる。「仕事の未来」をテーマに、高齢化社会における雇用のあり方などについて議論する。愛媛県は関連イベントとして、スマート農業やドローンなど、業務効率化を可能にする技術を集めた大規模な展示会を開催する。世界から関係者が集まる好機に、愛媛企業も技術力の発信を目指す。

同会合は招待国も含めると30以上の国・機関の関係者ら600人以上が愛媛を訪れる。県内での国際会議としては過去最大規模で、中村時広知事は「愛媛ファンを増やし、さらなる国際会議の誘致や観光振興につなげたい」と意気込む。

光合成計測のデモ機を確認する「PLANT DATA」の稲葉一恵マネージャー(松山市)

地元企業も技術力を発信する好機と捉える。県は会合に先立つ30~31日、愛媛県武道館(松山市)を会場に「えひめ未来のしごと博・えひめITフェア」を開催する。人工知能(AI)や次世代通信規格「5G」などに関連するサービスを県内外の約70社が出展する。

「植物に『今の状態どうよ』と聞いて、結果を農家の労務管理にまでつなげられる技術は他社にはない」。愛媛大学発ベンチャー「PLANT DATA」(松山市)で研究開発担当の稲葉一恵マネージャーは胸を張る。

同社はスマート農業技術を紹介する。例えばセンサーによる光合成計測システムでは、トマトなど植物の光合成や蒸散の動きをリアルタイムで計測。農家はウェブアプリで結果を確認する。経験に頼っていた水やりのタイミングや量が、数値に基づいて調整できる。

また別の装置では、青色発光ダイオード(LED)とカメラを搭載したロボットを使い、光合成や生育状況を計測する。生育にムラが生じた場合は茎を伸ばす誘引を調整し、高さをそろえて満遍なく光合成できるようにする。作業者ごとの仕事の質が把握でき、労務管理にも生かせるという。

こうした技術の一部は愛媛大と同社などが特許を保持しており、すでに国内農家にサービス提供している。今後は欧州などへの展開も視野に入れる。稲葉マネージャーは「海外にもない技術を提案したい」と意気込む。

松山ドローンサービス(松山市)は、ドローンを活用した効率的なレーザー測量技術を展示する。ドローンを上空30~80メートル程度の高さで飛ばし、搭載装置で毎秒2万点のレーザーを地表に照射して測量する。

樹木などの障害物があったり、崖で高低差が大きかったりする山間部で効率的に作業が進められる。同社によると、人による実測では1週間程度かかる3ヘクタールの土地を、2日で測量したケースもあるという。

一方で、1台数千万円する高額な装置を使用するため、写真測量と比べて2倍以上かかる作業費用が普及の課題だ。同社はホイールベースが約180センチメートルの大型ドローンを自社開発する。小笠原英之社長は「機体の大型化で積載可能な電池を増やす狙い。1回の飛行時間を延ばしてコスト削減したい」と話す。

高齢化や人口減少に苦しむ地方では、省力化技術への需要は業種を問わず高まっている。イベントは入場無料で一般客も見学できる。県は「これからの仕事、働き方の道筋やビジネス展開のヒントが見つかるはず」と来場を呼びかけている。(棗田将吾)

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