北陸新幹線、国定公園避けるルートを 国交省意見
国土交通省は29日、北陸新幹線・敦賀(福井)―新大阪の整備に向け、越前加賀海岸など4つの国定公園を避けるルートの検討を求める意見書を公表した。世界遺産に登録されている京都の文化財などへの配慮も要請した。建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構に同日送付した。
着工に先立つ環境影響評価(アセスメント)手続きの一環。機構は意見を踏まえて現地でのアセス手法を決める。機構は5月末、線路や駅のおおまかな建設想定区域を示す計画段階環境配慮書を国交省に提出していた。
国交省は今回、7月に受け取った環境省の意見も踏まえ、配慮書を「全体として適切」と認めた。その上で「想定区域には環境保全上、重要な地域が存在している」と指摘し、やむを得ず国定公園を通過する場合もできるだけ景観を悪化させない工法を採用するよう求めた。
京都府や大阪府の市街地では地盤沈下や地下水の汚染が懸念されるとして、調査と対策の徹底を要請した。
敦賀―新大阪の着工時期は未定だが、地元自治体や与党は2023年春ごろの金沢―敦賀開業に続く速やかな着手を目指している。〔共同〕