愛知の玄関口、機能強化へ前進 環境アセスが最終段階へ

2019/8/29 19:42
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愛知県の「空と海」の2つの玄関口を巡る機能強化の動きが、さらに前進した。県環境影響評価審査会は29日、中部国際空港島沖の埋め立て工事への環境影響評価(アセスメント)の審査内容を県側に答申した。環境アセスの手続きは最終段階に入る。名古屋港と中部国際空港の機能強化のカギを握る工事だけに、注目が集まっている。

この日、環境影響評価審査会は「環境保全措置を確実に実施し、より一層の環境影響の低減に努めること」などと求めたが、工事の実施自体に大きな異論はなかった。「アセスの手続きは4分の3程度が終わった」(関係者)といい、中部地方整備局は答申や大村秀章県知事の意見などを踏まえた上で、残る手続きを急ぐ考えだ。

この工事は、名古屋港と中部空港という愛知を代表する2つの玄関口を機能強化する上でカギを握る。名古屋港にたまる土砂の処分先となるだけでなく、中部空港では2本目滑走路の候補地として期待されるからだ。

国と愛知県などは2018年度から飛島埠頭に大型船が接岸できる新たな着岸所(バース)の建設工事に取り組んでいる。国際的に増加する大型コンテナ船の接岸に対応し、港としての魅力を高めるためだ。

愛知県庁で審査会から答申を受け取る県幹部(右)

愛知県庁で審査会から答申を受け取る県幹部(右)

大型船の接岸には岸壁の水深を掘り下げる必要があり、工事では土砂が発生する。普段から河川から土砂が流れ込んでくることもあり、港内にたまる土砂の処分先が課題だった。現在は港内のポートアイランドに土砂を仮置きしているが、残るスペースは限界に近いという。

整備局などは空港島沖に土砂の処分場を整備することができれば、港の機能強化や維持に向けた工事がより円滑に進むようになるとみる。

中部空港の機能強化の面でも注目されている。県は埋め立てでできる陸地に2本目の滑走路を建設したい考えだ。

空港島には18年10月に空港直結の複合商業施設「フライト・オブ・ドリームズ」が誕生。今月30日に県の国際展示場「アイチ・スカイ・エキスポ」、9月に第2ターミナルの開業が予定されるなど大型施設が集積しつつある。

県は空港の滑走路を現在の1本から2本に増やすことで同空港の離発着便を増やし、観光誘客を大幅に増やせるとみる。

ただ、土砂処分場の建設に着工できたからといって、すぐに滑走路に利用できるわけではない。2本目の建設には政府が滑走路の本数を1本と定める空港の基本計画を変更する必要がある。県は国に航空需要の増加を訴えて基本計画の変更を働きかける方針だ。

(小野沢健一)

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