DIC、独BASFの顔料事業を買収 1162億円で

2019/8/29 17:20
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DICは29日、ドイツの化学大手、BASFの顔料事業を買収すると発表した。買収額は9億8500万ユーロ(約1162億円)で、2020年末までに買収を完了する見込み。出版物の減少などで主力のインキ需要が落ち込むなか、市況に影響されにくい高付加価値の化学品へのシフトを加速する。事業領域を多様化し、総合化学会社への脱皮を急ぐ。

BASFの顔料事業は自動車や化粧品向けなどの高級品が主力。欧米を中心に11カ所の製造拠点を持つ。DICはディスプレー向けの顔料に強みを持ち、用途の補完関係が高いと判断した。

DICの猪野薫社長は29日、日本経済新聞に対し、「(同社や米子会社のサンケミカルが持つ)アジアや欧米の拠点と合わせ、グローバルな事業展開を加速できる」と語った。今後は原料の内製化や共同購買なども進める。

DICは19年2月、21年までの3年間に包装材やヘルスケアなどの成長領域に2500億円を投資する計画を発表していた。買収によって「25年にめざす売上高1兆円の目標を、前倒しで達成できる見込み」(猪野社長)という。

同社によると、世界の顔料市場規模は約2兆3千億円。このうち高級顔料市場は3割超を占め、23年までに年率3.4%の成長を予測する。

インキ・塗料業界では日本ペイントホールディングス(HD)が今年4月、オーストラリアの塗料最大手、デュラックスグループを約3千億円を投じて買収すると発表。関西ペイントも16年に欧州の塗料メーカー、ヘリオスグループの買収を発表するなど、大型M&A(合併・買収)が相次いでいる。

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