ドゥテルテ比大統領と会談 中国・習主席
南シナ海が焦点

2019/8/29 17:02
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【北京=羽田野主、マニラ=遠藤淳】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は29日、訪中しているフィリピンのドゥテルテ大統領と会談した。両国の関係はフィリピンの漁船沈没事件をきっかけにぎくしゃくしている。両国が領有権を主張する南シナ海を巡る問題で、踏み込んだやりとりをするかが焦点になる。

2018年4月に中国の習近平国家主席(右)と会談したドゥテルテ比大統領(中国海南省)

ドゥテルテ氏の訪中は2016年に大統領に就任してから5回目。最大の焦点は南シナ海を巡る協議の行方だ。フィリピンのパネロ大統領報道官は、南シナ海での中国側の主張を全面的に退けた2016年の仲裁裁判所の判断を議題として提起すると説明している。

フィリピン国内では中国批判が広がっている。6月にはフィリピンの排他的経済水域(EEZ)で同国の漁船が中国の漁船に衝突され沈没し、首都マニラなどではデモが起きた。7月以降、中国の軍艦がフィリピン領海を無断で航行する事態もたびたび起きた。

親中路線を維持してきたドゥテルテ氏も国内の不満の高まりを受け、中国にある程度強く出ざるをえない状況だ。

一方の習指導部も引き下がれない。中国側の主張を全面的に退けた仲裁裁判所の判断について、中国政府は「判決は紙くずにすぎない」(中国外務省)と受け入れを拒否している。

10月1日には今年最大の政治イベント建国70周年の式典を控える。トランプ米政権との貿易戦争や香港を巡る混乱も続き、習指導部は苦境に立たされる。領有権を巡る問題で譲歩したかのように受け止められれば、習氏の求心力に傷がつきかねない。

ドゥテルテ氏も中国との全面対決は望んでいないとの見方が多い。フィリピン側が求める南シナ海を巡る資源の共同開発などで中国が協力姿勢を示し、事態を沈静化させようとする可能性もある。

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