香港政府、「緊急条例」発動に含み 集会や通信を制限

2019/8/29 15:00
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香港では連日デモが起きている(28日に行われた警察官のセクハラに抗議するデモ)=ロイター

香港では連日デモが起きている(28日に行われた警察官のセクハラに抗議するデモ)=ロイター

【香港=木原雄士】香港政府が行政長官に強大な権限を与える「緊急状況規則条例」の発動をちらつかせている。行政長官が緊急事態と判断すれば、集会や通信の制限を含むあらゆる規則を立法会(議会)の同意なしに適用できるもので、過激化するデモをけん制する狙いがある。民主派団体は31日に大規模デモを計画しており、反発が強まる可能性がある。

緊急条例は英植民地時代に制定され、行政長官の権限で出版や通信に加え、人の移動や輸出入、生産といった経済活動も幅広く制限できる。林鄭月娥・行政長官は27日の記者会見で「法的手段で暴力を止められるなら、政府はすべてを検討する責任がある」と述べ、同条例の発動に含みを持たせた。

民主派は香港基本法で定められた「集会やデモの自由」が著しく損なわれるとして「事実上の戒厳令だ」と強く反発している。親中派の間にも「経済に大きなダメージになる」との慎重論が広がっている。

行政長官の諮問機関、行政会議トップの陳智思(バーナード・チャン)氏は28日「緊急条例を必要とする状況にはほど遠い」と述べ、ひとまず火消しした。一方で香港警察は29日、民主派団体「民間人権陣線」に31日のデモ行進と集会を許可しないと通知した。警察は力ずくでデモを抑え込む方針に傾いている。

複数の労働組合や学生団体は9月2日からストライキや授業のボイコットを呼びかけている。デモ隊は「逃亡犯条例」改正案の完全撤回や、有権者が1人1票を投じる普通選挙などを求めている。政府と若者らの対立が長引く中、解決の糸口を見いだせない状況だ。

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