大分県とSAP ビッグデータ活用の災害対策で協定

BP速報
2019/8/29 14:00
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大分県とSAPジャパンなどは米国時間の2019年8月27日、災害対策とIT(情報技術)人材育成などで相互協力協定を締結したと発表した。多種多様なビッグデータをSAPのデータプラットフォーム上に蓄積し人工知能(AI)などで分析。災害時にリスクの高い場所を特定したり、平時の減災対応に役立てたりする狙いがある。

同日、米カリフォルニア州のサンラモンにあるSAPの拠点で、大分県の広瀬勝貞知事が出席し協定の調印式を実施した。広瀬知事は「大分県は水害などの災害が起こるが、これからは防災にデジタル技術とデータを活用していくべきだと考えた。様々なデータを組み合わせることで川の氾濫可能性などをより精緻に判断できるようになる」と説明する。

相互協力協定を調印した大分県の広瀬勝貞知事(左)、SAPジャパンの内田士郎会長(中央)、米SAPアカデミー のメアリー・ラング グローバルバイスプレジデント(27日午前、米サンラモン)

相互協力協定を調印した大分県の広瀬勝貞知事(左)、SAPジャパンの内田士郎会長(中央)、米SAPアカデミー のメアリー・ラング グローバルバイスプレジデント(27日午前、米サンラモン)

実際18年に発生した水害について、大分大学とSAPジャパンのチームが災害現場の危険度を判断できるデータで分析したところ、一定の成果があったという。「実際に災害に対応してみて、様々な機関のデータを入手して掛け合わせて分析する必要があることが分かった」(SAPジャパンデジタルエコシステム統括本部ビジネスイノベーション推進部の吉田彰イノベーション・スペシャリスト)。必要なデータとしては、雨量、河川の水位、過去の災害や工事、地形のデータなどが挙げられるという。

2018年の水害時の危険エリアを分析した画面

2018年の水害時の危険エリアを分析した画面

今回の協定では「EDISON(エジソン)」と呼ぶ、防災・減災のための情報活用プラットフォームを利用していく。SAPジャパンのほか、大分大学 減災・復興デザイン教育研究センター、システム開発のザイナス(大分市)が中心となって実証実験を進めてきた。SAPはリアルタイムデータを処理するプラットフォーム「HANA(ハナ)」などのITインフラ、ESRIジャパン(東京・千代田)が地図を提供する。

SAPと組むことについて広瀬知事は「世界のトップと組むことで、世界のネットワークを活用できると考えた。逆に今回の成果を世界に発信していくことも可能だろう」と説明する。

今回の協定は人材育成も対象であり、SAPのワールドワイドの人材育成組織である米SAPアカデミーも参加している。

大分県向けの人材育成のプログラムを作成したり、防災・減災のワークショップを実施したりする。IT人材の育成では、大学生にはリアルタイムシミュレーションといったように年齢別にコースを用意する。さらに、SAPジャパンがシリコンバレーで年2回開催している、日本企業向けのデザインシンキングのプログラムに大分県の職員などが参加するという。

(日経BPシリコンバレー支局長 市嶋洋平)

[日経 xTECH 2019年8月28日掲載]

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