HISの純利益、13%減の96億円 減益幅が拡大 19年10月期
エイチ・アイ・エス(HIS)は28日、2019年10月期の連結純利益が前期比13%減の96億円になりそうだと発表した。従来予想(微減の110億円)を下回り減益幅が拡大する。訪日外国人向け旅行事業が想定以上に悪化する。ハウステンボス(長崎県佐世保市)の入場者数減も響く。
旅行事業では1月のビザ発給要件緩和に伴う中国人の訪日客の増加で、中国の現地企業との価格競争が激化。「不採算を覚悟していたが想定以上に利益率が悪化した。今期中に事業展開を見直したい」(同社)考えだ。香港のデモの影響については「当社での香港からの旅行客の取扱数は小さく影響は軽微」という。
ハウステンボスは韓国からの入園者の減少などが収益を圧迫する。第3の柱であるホテル事業は来年までに開業予定のホテルの費用計上を前倒しした影響が出る。
5~7月期に旅行会社を連結対象に加えた影響で、売上高は従来予想から140億円上方修正し、10%増の8000億円とした。
同日発表した18年11月~19年7月期決算は、純利益が前年同期比44%増の64億円、売上高が12%増の5737億円。日本からの海外旅行事業は10連休後も好調だったが、国内旅行は梅雨と天候不順の影響で前年並みの水準となった。