「どんどん水かさが」大雨の九州、氾濫や冠水相次ぐ

2019/8/28 9:13 (2019/8/28 13:20更新)
保存
共有
印刷
その他

 大雨で冠水したJR佐賀駅前の大通り(28日午前)=時事

大雨で冠水したJR佐賀駅前の大通り(28日午前)=時事

記録的な大雨となった九州北部では28日、河川の氾濫や、街中心部の冠水などの被害が相次いだ。「水が迫ってくる」「なんとか早く弱まって」。大きな被害が出た2017年の九州北部豪雨と同様に大雨特別警報が出る中、住民らは不安な表情で避難を急いだ。

【関連記事】84万人に避難指示 九州北部、大雨特別警報

「朝からどんどん水かさが増してきて、身の危険を感じる。これから急いで避難します」。佐賀県小城市では28日朝、牛津川が氾濫し、周囲に川の水があふれ出した。川の近くに住む寺の男性住職(60)は震えた声で話した。

早朝に雨水を川に排水するためのポンプが停止したといい、その後は水かさがみるみる増していったという。

「昨日の夜からの雨は経験したことがなく、不安で眠れないほどだった」。住職は地区の区長も務めているといい、付近の住民らに高台の公民館への避難を呼びかけて回るという。「なんとか早くおさまってくれるといいのだが」と疲れた表情でつぶやいた。

大雨の影響で増水した、佐賀県小城市を流れる牛津川(28日午前)=国土交通省九州地方整備局提供・時事

大雨の影響で増水した、佐賀県小城市を流れる牛津川(28日午前)=国土交通省九州地方整備局提供・時事

佐賀県内では28日の明け方に1時間に100ミリを超える猛烈な雨が各地で降り、広い範囲で冠水被害が発生した。JR佐賀駅(佐賀市)周辺では朝には大半の道路が冠水し、駅構内にも水が流れ込んだ。水につかりながら歩いて駅にたどり着いた会社員らが列車の運休情報を確認し、疲れた様子でベンチに座る姿も見られた。

駅前郵便局の20代男性職員は「昨日から泊まり込んでいる。朝起きたら周囲が膝の下くらいまで水が上がってきていた」とおびえた様子。郵便局内に水が流れ込まないよう、早朝から土のうを積み、今後の雨に備えたという。「通常どおりの営業は難しいが、通勤している人の姿も見えるし、避難してくる人もいるかもしれないのでこのまま待機しようと思う」と語った。

大雨で冠水し、車が立ち往生した佐賀市の道路(28日午前)=共同

大雨で冠水し、車が立ち往生した佐賀市の道路(28日午前)=共同

福岡県久留米市で材木会社を営む男性(67)は、前夜から自宅近くの筑後川の様子を確認していたが、28日早朝にごうごうと流れる濁流を目の当たりにし、家族での避難を決めた。「2年前の九州北部豪雨の時と同じような危険を感じている。対岸の朝倉市の友人や知人もすでに避難を始めている。氾濫したらまた被害が大きくなってしまう」と表情を曇らせた。近所の人にも避難を呼びかけているという。

九州北部豪雨で大きな被害を受けた福岡県東峰村では28日早朝に全域に避難指示が出され、村役場近くの保健福祉センターには100人を超える住民らが避難した。午前6時すぎに避難してきたという村の臨時職員の男性(63)は「特別警報も出た。あのときのことを思い出して不安に過ごしている住民が多い」。自らも2年前に自宅が全壊したといい「なんとか被害が出ないでほしい」と祈るように語った。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]