「合意なき離脱」阻止へ法案提出 英野党が一致
内閣不信任案は温存

英EU離脱
2019/8/28 3:43
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【ロンドン=中島裕介】労働党など英国の主要野党は27日に幹部会合を開き、英経済に混乱を及ぼす欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」を阻止する法案を議会に提出することで合意した。EUと合意がなくても10月末に離脱すると強弁し続けるジョンソン首相の方針を封じるのが狙い。一方、労働党のコービン党首が主張していた内閣不信任案の提出はひとまず温存する方針だ。

英労働党のコービン党首は、暫定首相になって合意なき離脱を止める案はひとまず封印した(27日、ロンドン)=ロイター

法案は10月末の離脱時期の延期をEUに申請するよう、首相に義務付ける内容になる見通しだ。

コービン氏は27日の会合後に「首相は議会の意思を尊重すべきだ」と述べ、議会が再開する9月3日以降に速やかに法案を提出する意向を示した。現在の議会下院はジョンソン氏が率いる保守党と閣外協力する政党を加えても、与党が野党勢力を事実上1議席しか上回っていない。保守党内にも「合意なき離脱」に反対する議員が20~30人いるとされ、法案は可決される可能性がある。

法案が成立すればジョンソン氏はEUに離脱延期を申し入れるなどの法的な義務を負う。

3月末からの短期の離脱延期を受けた4月にも英議会はメイ首相(当時)にEUへの離脱延期の申請を義務付ける法案を提出した。これが僅差で可決し、現在の10月末までの延期につながった。

一方、コービン氏が早期提出を模索していた内閣不信任案と、EUに離脱延期を申請するための「暫定内閣」を発足する構想は今回は見送った。

ジョンソン氏が表向きは「EUとの合意を目指す」と言っている以上、与党議員が造反して不信任案に賛成するのは難しく、時期尚早と判断した。コービン氏は不信任案提出は「選択肢としては残っている」と語った。

英BBCによると、英首相官邸の関係者は野党の動きについて「英国の立場の妨害だ。彼らに反対し、何としてもEUを去る」と主張した。

ジョンソン氏は現行の離脱協定案を修正しアイルランド国境問題の安全策(バックストップ)を削除しなければ、合意なき離脱も辞さないとEUに妥協を迫っている。27日にはオランダのルッテ首相などEUの6人の首脳に電話で持論を述べた。主要7カ国首脳会議(G7サミット)前にはドイツのメルケル首相らに、英側が国境問題の解決策を示す考えも表明したが、有効な案が出てくるかどうかは不透明だ。

野党が法案を出した場合、ジョンソン政権が議会を閉会し、審議をさせない奇策に出る可能性も取り沙汰されている。

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