南海特急の台車亀裂、安全委「脱線可能性あった」

南海電鉄の特急「ラピート」の台車に亀裂が見つかった問題で、運輸安全委員会の鉄道事故調査官は27日、大阪府泉佐野市の車両基地で台車を確認した後、記者団に対し「脱線につながる可能性もあった」と指摘した。
調査官によると、亀裂のあった部分は鉄製。溶接された部分で横方向に約14センチの亀裂があった。運輸安全委は重大インシデントと位置付けており、調査官は「亀裂があるまま走行すると、部品の落下や脱線など最悪の事態につながりかねない。異常音の中で走行を続けたことが正しかったかどうかなど、今後調査したい」と述べた。
南海によると、23日午後6時すぎ、大阪・難波から関西国際空港へ向かう列車内で金属がこすれるような音がするのを車掌が聞いた。関空からの折り返し運転の際も異常音を確認したため、指令所に無線で報告した。
その後、係員が乗り込んで点検したが異常は見つからず、午後11時35分ごろまで230キロ以上、営業運転を継続。回送先の車庫での点検で亀裂が見つかった。〔共同〕