昭和電工エレクトロニクスHD工場 最先端のHDD開発・生産
創る

2019/8/27 18:09
保存
共有
印刷
その他

昭和電工エレクトロニクスHD工場(千葉県市原市)は、ハードディスクドライブ(HDD)に内蔵する基幹部品、磁気ディスクの最大手である昭和電工の次世代技術の開発拠点だ。非パソコン向けのHDD需要の拡大に対応し、より大容量の高機能部品の供給体制を確立している。

さらに記録容量の大きなHAMR(ハマー)の開発も進める

昭和電工は国内3拠点を含む世界7拠点でハードディスク(HD)事業を展開するが、市原工場は全拠点のHD事業を統括するマザー工場。従業員308人の約3割が研究開発センターに所属し、各拠点が出荷するHDメディアの品質を保証する役割を担う。

HDメディアはデータを記録・読み出しするための装置「HDD」に組み込まれ、データの記録場所となる部品だ。厚さ1ミリメートル程度のディスクの表面に磁性膜を形成し、磁性層の粒子の磁化を磁気ヘッドで反転させることでデータが記録される仕組み。昭和電工グループの生産能力は年間2億4千万枚だが、市原工場がその主力となる。

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」やビッグデータの活用が広がり、膨大なデータを蓄積するデータセンター向けのHDDの出荷が好調に推移する。市原工場ではパソコン向けの2.5インチ型とデータセンター向けの3.5インチ型のHDメディアの生産量の比が18年は6対4だったが、20年には並ぶ見通しだ。

新技術開発にも積極的に取り組む。今年2月にはMAMR(マイクロ波アシスト磁気記録、ママー)用のHDメディアの開発に成功した。1層あたり1ナノ(ナノは10億分の1)メートル程度の磁性層を10層以上積み重ねることで、1枚の記録容量が1世代前の1.5~1.8テラ(テラは1兆)バイトから2テラバイトに向上した。

これまでは主に面積当たりに詰め込むデータ量を増やして記録容量の拡大を図ってきた。ただ記録密度が限界に到達したため、磁性層と非磁性層を交互に「ミルフィーユ」状に何層にも重ねる新技術が生み出された。

世界のデータ生成量は10年には1ゼタ(ゼタはテラの10億倍)バイトだったが25年には125ゼタバイトになるとの試算も。高度情報化社会に「世界で生まれる膨大なデータの保存需要に対応するHDメディアを開発・供給し続ける」(松橋敬・昭和電工千葉事業所長)。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]