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韓国検察が強制捜査 大統領側近の娘に不正入学疑惑

【ソウル=鈴木壮太郎】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の側近である曺国(チョ・グク)前民情首席秘書官の娘に大学への不正入学などの疑惑が浮上し、検察は27日、娘の母校など関係先を一斉に捜索した。この問題は最近、野党や保守系メディアが追及を強め、26日発表の文氏の不支持率は就任後初めて50%を上回った。公正公平な姿勢が売り物だった曺氏のスキャンダルは文政権に打撃を与えそうだ。

ソウル大教授の曺氏は2017年5月の文政権発足と同時に、検察などの法務行政全般に影響力を持つ大統領府の要職である民情首席秘書官に就任した。権力集団だと批判された検察の改革をめざす文氏が非法曹界出身の曺氏を抜てきした。曺氏は7月に退任し、検察改革の陣頭指揮をとる法相候補に指名された。

そんな曺氏にまず浮上したのは、家族が経営する学校法人の不適切な相続疑惑だ。公職にありながら私募ファンドに投資していたことも発覚した。次いで浮上したのが娘の進学を巡る疑いだ。

娘は高校在学中、曺氏の妻の知人がいた複数の大学の研究室にインターンとして通い、論文の共同著者に名を連ねた。こうした実績を内申書に加え、筆記試験なしで名門の高麗大に入学が許されたと取り沙汰されている。

その後進学した釜山大医学専門大学院では成績不振にもかかわらず、奨学金を受給していた疑惑も提起された。

検察は27日、高麗大や釜山大、家族が経営する学校法人などを一斉に捜索した。曺氏は同日、報道陣に「検察の捜査を通じ、すべての疑惑が明らかになることを望む」と語った。

曺氏は学生が高所得者の子供に偏る名門大の現状を批判し、庶民の教育機会を増やすよう訴えていた。その本人が自分の娘を「例外」としていた疑惑に、若年層や主婦層が特に反発し、高麗大やソウル大では抗議集会が開かれた。世論調査会社リアルメーターが26日発表した調査では文氏の不支持率が50.4%と、初めて5割を超えた。

韓国の文在寅大統領(韓国大統領府提供)=共同

当面の焦点は、文氏が曺氏の法相任命を強行するかどうかだ。国会は9月2、3日、曺氏が法相にふさわしいか否かを問う人事聴聞会を開く。ただ、首相を除く閣僚は聴聞会の結果にかかわらず、大統領が任命できる。

保守系野党「自由韓国党」は曺氏のスキャンダルを党勢回復の起爆剤にする考えだ。聴聞会では曺氏の法相任命に反対する方針だ。同党の羅卿●(たまへんに爰)(ナ・ギョンウォン)院内代表は27日、検察の捜査では不十分だと批判して、特別法を制定して特別検察官が捜査する必要があると主張した。

文政権はいまのところ曺氏を擁護する構えだ。与党「共に民主党」は27日「曺氏の家族に対する無差別な人的攻撃が横行している」と自由韓国党を非難した。同時に「聴聞会は曺氏の政策能力と資質の検証に集中し、合理的に判断すべきだ」と主張し、事態を慎重に見極める姿勢を示した。

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