今日も走ろう(鏑木毅)

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50歳でUTMB再挑戦 さあ、スタート目前

2019/8/29 5:30
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UTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)まであと3日。8月30日午後6時(日本時間31日未明)いよいよスタートだ。かつて3位になった世界最高峰のレースへ50歳で再び挑戦することを目標に足かけ3年。いよいよこの時が来たという気持ちとともに、このレースに再チャレンジするNEVERプロジェクトも終わるかと思うと少し寂しくもある。

この3年は自分自身と向き合い悩み苦しみ、試行錯誤の連続ではあったが、常に新鮮な気持ちで充実した時間だった。

7月、UTMB本番コースの試走で

7月、UTMB本番コースの試走で

もしこの挑戦をしなかったら年齢との闘いに苦しむこともないし、若かりし頃の自分と比べて自己嫌悪に陥ることもなく心は平静だったはずだ。しかしこれまで、例えば40歳で公務員を辞めプロとなった時もそうだったように、リスクがあってもわくわくし挑戦したいと思った道を選んだ方が結果的に良い選択だった。そう考えれば今回の選択もきっと間違ってはいなかったと信じる。

最近考えているのは、意外にも今回のレースではなく次のチャレンジのこと。まだレースが始まってもいないのに次のことなんてと思われそうだけれど、常に何か新しく心が弾むことを考えるとエネルギーが湧き、UTMBも頑張れるように感じている。

このように考えるのは私の性分なのかもしれない。プロジェクトの初めには年々衰える体力を鑑みて、このUTMBを最後の大きなチャレンジにしようと思っていた。この3年間でさらにその先の挑戦を考えるようになれたのは大きな心境の変化といえよう。今回の挑戦自体が自分の中に眠っていた前向きな心を呼び起こし、自信と期待を再び見いだすことができたのだろう。

100マイルのウルトラトレイルは難しい。百パーセントの準備をして臨んでも、当日の気象条件、補給計画、ペースマネジメント、メンタルコントロールなどの微妙な狂いでレースは簡単に台無しになってしまう。当日思うように走れるかどうかは天のみぞ知る、だ。

ただ、いかなる結果になろうとも長期間取り組んだ上での知識や経験は決して無駄にならないし、必ず人生の次のステップに生かせる。おかげで心は自分でも驚くほど穏やかだ。過去6回の出場の際はいずれも結果のみを重視したため過度のプレッシャーとストレスでレース前にはいつも処刑台に向かう死刑囚のような気持ちだった。

今回は全く違った心境で臨めそうだ。自分の人生を鮮やかに輝かせてくれたこのモンブラン一周をめぐる100マイルのトレイル。ここに感謝の気持ちを抱きながら、とにかくレース自体を心から楽しみたい。そして終盤の苦しい状況では今まで応援してくれた人々、お世話になった方々を思い浮かべ自分自身ととことん向き合う時間にしたい。

これまで応援してくれたみなさん、本当にありがとうございました。ようやくここまでたどり着くことができました。素晴らしいレースにしたいと思っています。

(プロトレイルランナー)

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