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証券業界を外から変える・白石氏(IFAの流儀)

金融商品選びや投資計画の立て方など、資産運用は初心者にとって難しいことばかり。経験者でも投資成果を上げ続けるのは容易ではない。そんなときに頼りになる相談先のひとつが独立系金融アドバイザー(IFA)だ。理系学部出身で国内メーカー、大手証券を経てIFAとして独立した異色の経歴を持つマネーブレインの白石定之社長に話を聞いた。

――IFAを目指したきっかけを教えてください。

マネーブレインの白石社長

「証券会社では、ある程度自由に仕事をさせてもらっていましたが、独立する1年ほど前から毎月の収益に対するプレッシャーが強くなりました。お客様の資産を増やすよりも収益目標の達成が優先されているようで、最終的に怒りすら感じるようになり、『それなら証券業界を外から変えてやれ!』と思い独立しました」

「実際に独立してみると自分の器の小ささを認識しましたし、振り返ってみると、会社組織で働いている人間が会社の方針に従うのは当たり前のこと。どんな仕事でも収益目標があるほうが普通で、今では全く怒りはありません。ただ、そのような気持ちで独立を決意したので、マネーブレインには毎月の収益目標がありません。ホームページ上で公開している収益は月ごとに大きくぶれています」

――どのような相談内容が多いですか。

「お客様は40~60代が中心で、毎月開催しているセミナーをきっかけに個別相談に来られる方がほとんどです。『証券マンの提案どおりに株式投資をしているけどうまくいかない』『王道と言われる長期分散投資が本当に最適な方法なのか疑問』といった悩みやモヤモヤの相談が多いです」

――顧客へのアドバイスは。

「長期の分散投資を推奨する最近の潮流に逆行しますが、当社では独自に開発したモデルを使って『非分散・非長期』の投資を提案しています。主な投資対象は日経平均株価に連動するETF(上場投資信託)と、その逆の動きをするETF。マーケットの状況を分析し、この2本のETFとキャッシュポジション(現金持ち高)の組み合わせを最適な比率に調整していく独特の運用スタイルです」

「このモデルで2013年1月から19年6月までの売買シミュレーションをした結果、運用資産が2.75倍になりました。売買代金の1%をコストとして差し引き、運用益に対する税金は考慮せずに試算しています。この仕組みは今後の証券業界を変える可能性もあると思っています。この他に投資信託や個別株、債券なども取り扱っています」

――資産運用で重要なことはなんですか。

「一喜一憂しないことです。資産運用で成功するか失敗するかは、投資方法ではなく心の状態で決まると思っています。資産が増えれば喜び、減れば怖くなる心理を乗り越えなければいけません。人間なので心が揺れ動くのは当然ですが、そういう自分の状態に気づき、客観視できるよう意識することが重要です」

「私は父親にすすめられて中学3年生で投資を始めました。個別株の短期売買で利益を得たこともありますが、損をして青ざめたこともあります。若いうちにそういう経験を通して投資の成否と心理の関わりを体感し、それに気づいたことで常に平静でいられる境地に至りました。アドバイスにおいても『お客様が一喜一憂しないように』を一番に心がけています」

――IFAの認知度を上げるために意識していることはありますか。

「特に意識したことはありません。一人ひとりのIFAやIFA業者が個性を生かしながら、一番いいと思う資産運用を提案し、切磋琢磨(せっさたくま)していくことで自然と認知度が上がっていくのではないでしょうか。お客様のために生き生きと活動できる雰囲気が証券業界全体に広がっていけばいいと思います」

白石定之氏
マネーブレイン社長。メーカー勤務を経て、国内大手証券で富裕層を中心に営業を担当。2012年に独立。著書に「投資信託でうまくいく人、いかない人」(クロスメディア・パブリッシング)など。

(QUICK資産運用研究所 竹川睦)

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