国有林のノウサギ食害防げ 高知「シカよりも悪質」

2019/8/27 9:51
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高知県でノウサギに国有林の苗木を食べられる被害に頭を悩ませている。食害面積が大きいシカの対策は進む一方、見過ごされてきたのが現状だ。四国森林管理局の森林技術・支援センターの鷹野孝司所長は「ノウサギは苗木の幹をかみ切るので成長が止まる。枝を食べるシカより悪質」と指摘。捕獲用のわなを導入しようと工夫を続ける。

ノウサギ捕獲用の箱わなを設置する四国森林管理局の職員(高知県土佐町)=共同

鷹野さんは昨夏、高知、愛媛にまたがる国有林を見回った際、苗木がかみ切られた被害が多いことに気付いた。ついばむように食べるシカと明らかに違っており、ノウサギの仕業だと判断した。

高知県土佐清水市の国有林に設置したカメラには植林して約1年のコウヨウザンを食べるノウサギが写り込んでいた。シカ用のネットはあったが、10センチ四方の網目を抜けて入ったとみられる。

林野庁によると、2017年度の野生鳥獣による国有林と民有林の被害面積のうちノウサギが占めるのはわずか2%。74%のシカと比べると圧倒的に小さい。だが食害で苗木の成長が止まると植え直す必要があり、コスト面での打撃は大きい。高知県は17年度、北海道、静岡県に続き約16ヘクタールの被害が確認されており、鷹野さんは対策の必要性を感じている。

鷹野さんによると、ノウサギは警戒心が強く、なかなか捕獲できない。ワイヤで拳一つ分の輪っかを作り、通り道に仕掛ける従来の「くくりわな」は習得が難しく、普及は困難だという。

森林技術・支援センターはシカ用の箱わなを小型化、軽量化して実用化を目指し、誘い込むための餌の選定を進めている。鷹野さんは「有効な対策を確立し、被害拡大を食い止めたい」と話している。〔共同〕

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