五輪期間中、ダムの貯水多く 国交省が渇水対策
国土交通省は26日、2020年東京五輪・パラリンピック期間中に懸念される水不足への対策をまとめた。首都圏のダムの水を通常より多くためたり、修繕工事を大会後に先送りして水を減らさないようにしたりする。渇水が予想される場合でも水を安定供給し、大会や市民生活に影響を与えないようにする。
対策では大会前から利根川、荒川、多摩川、相模川の各水系のダムで、大雨に備えて空けておくダムの容量を圧縮するほか、河川をつなぐ管で水を融通し合い、水量確保を図る。水不足が深刻になった場合は各都県に噴水の自粛などの節水を呼びかける。断水の可能性がある場合は東京電力に要請し、発電用の水を飲料用に回してもらう。
1964年の東京五輪では開催前から渇水となり、昼間の断水などを実施した。当時は東京都内の水源が多摩川だけだったが、現在は利根川と荒川も活用しており、19年度中の八ツ場ダム完成で首都圏のダム容量は当時の約5倍に膨らむ見込みだ。ただ、貯水は気候に左右される面も大きく、17年には荒川水系で取水制限を行っている。