「効果明らか」「再試算を」 大阪都構想、法定協で応酬

2019/8/26 18:20
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法定協議会で発言する松井大阪市長(奥中央)=26日、大阪市役所

法定協議会で発言する松井大阪市長(奥中央)=26日、大阪市役所

「大阪都構想」の制度設計を担う法定協議会は26日、都構想の経済効果を初めて議論した。10年で最大1兆1千億円強の歳出削減が可能という専門家の説明を受け、大阪維新の会は「プラスの効果が示された」と強調。一方、自民党は試算のやり直しを訴え、公明党は「住民に丁寧な説明をしてほしい」と求めるなど、各会派の主張の違いが浮き彫りになった。

「10年で1兆円のプラス効果があることが証明された。コストに十分見合うことを府民・市民に伝えていきたい」。大阪府の吉村洋文知事(維新代表代行)は法定協終了後、大阪市役所で記者団の取材に語った。

報告書は大阪府・市が委託した嘉悦学園(東京)の専門家が作成し、2018年7月に公表された。この日出席した真鍋雅史・嘉悦大付属経営経済研究所長は、大阪市を特別区に再編する都構想による歳出削減効果を改めて説明。「特別区移行のコストを上回る効果が期待される」と述べた。

「どこをどう削ったら出てくるのか。現実的には困難だ」。法定協委員で自民の川嶋広稔市議は疑問を投げかけた。

報告書は全国の自治体の決算を基に人口規模と住民1人当たりの歳出額を分析したうえ、大阪市を4特別区に再編すると年に約1100億円の歳出削減が可能とした。しかし、川嶋氏は削減分には大学、病院、消防など府に移管する事務が含まれており、これを除いた実質的な削減効果は50億円程度などと指摘。シミュレーションのやり直しや第三者による検証を求めた。

公明の肥後洋一朗府議も府に移管される事務が歳出削減分に含まれていることを問題視。「(経済)効果は前提条件で増減する可能性がある。府民・市民の理解に資するよう丁寧な説明を心がけてほしい」と求めた。

共産党の山中智子市議は「大阪市は職員の給与水準も低く、削れるものはもうない」と主張。「特別区の導入でシステム整備などにコストがかかり、市民にとって何も良いことはない」と批判した。

今後、経済効果を巡って再び議論が行われることはないとみられる。法定協会長の今井豊府議(維新幹事長)によると、次回の法定協は9月に開かれ、各会派が改めて意見を表明するとともに、維新主導でまとめた「4区案」に対する修正意見が提出される見込み。維新は20年秋の住民投票実施を目指しており、同年4~6月の制度案取りまとめに向け、年内にも一定の方向性を出せるとの見方を示した。

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