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米中貿易協議再開へ トランプ氏「中国が合意望む」

(更新)

【ビアリッツ(フランス南西部)=河浪武史、北京=原田逸策】トランプ米大統領は26日、中国との貿易協議を再開する方針を表明した。同日の主要7カ国首脳会議(G7サミット)後の記者会見で「中国は米国との合意を強く望んでいる」と述べ、貿易協議の進展に期待を示した。

米国の制裁関税で中国経済が悪化していると指摘したうえで「中国は300万人超の雇用を失うことはできない」と強調、中国側に譲歩を呼びかけた。ムニューシン米財務長官と劉鶴・中国副首相が25日までに断続的に電話会談を繰り返したことも明らかにした。

米中は23日、互いに制裁措置を拡大して、両国製品に課す関税率をそれぞれ引き上げると表明したばかりだ。9月中に閣僚級協議を開く予定だったが、貿易戦争の激化で交渉自体が頓挫するリスクが高まっていた。

中国の劉鶴副首相は26日の重慶市内での講演で、米国との貿易戦争について「冷静な態度で問題を解決したい」と語り、米国に協議再開を呼びかけた。トランプ氏が言及した電話協議について、中国外務省の耿爽副報道局長は26日の記者会見で「把握していないし、聞いたことがない」と話した。

米東部時間26日午前の取引時間中に開かれたトランプ大統領の記者会見を受けて、米国株は上げ幅を広げる場面があった。トランプ氏が中国との合意に改めて意欲を示したことで、投資家がリスクを取りやすくなった。同日のダウ工業株30種平均は反発し、前週末比269ドル93セント(1.1%)高の2万5898ドル83セントで終えた。

ただ、トランプ氏の発言が制裁拡大から交渉再開へとわずか数日間で目まぐるしく変わったこともあり、投資家の間には戸惑いも広がっている。米金融サービス会社ミラー・タバックのマシュー・マリー氏は「米中交渉の行方について、トランプ政権の発言が二転三転しているため、投資家は態度を決めかねている」と指摘する。

先週末の23日にはトランプ大統領が取引時間中に中国への対抗措置拡大に言及し、同日のダウ平均は終値で前日比623ドル安となった。交渉再開の意向を受け、米中摩擦への懸念はやや後退したが、26日のダウ平均の上げ幅は先週末の下落分の半分以下にとどまった。

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