JR新宿駅デッキ直結の複合ビル 三菱地所・日本製粉

三菱地所と日本製粉は26日、東京都渋谷区内のJR新宿駅南口でオフィスや商業施設を含む複合ビルの竣工式を開いた。駅からの既存のデッキを延伸しビルと直結させるなどして歩行者の利便性や回遊性の向上を図る。三菱地所はお膝元の東京・丸の内だけではなく「丸の外」と呼ぶ丸の内以外の主に都心の「駅近」エリアを両輪として再開発事業を進めている。
複合ビルの名称は「リンクスクエア新宿」(東京・渋谷)。地上16階、地下2階。高さは約79メートル。敷地面積は4138平方メートルで、延べ床面積は4万3760平方メートル。旧日本製粉本社ビルといった明治通り沿道の旧耐震基準の老朽化したビル3棟を1棟のビルに建て替え、8月末に竣工する。
1~3階部分に飲食店やコンビニエンスストアなどの商業店、4~16階部分にオフィスが入る。オフィスは竣工時点で満室稼働となり、りらいあコミュニケーションズといった企業が入居するほか、米シェアオフィス大手ウィーワークが開業する。
JR新宿駅新南口から商業施設「タカシマヤタイムズスクエア」に続くデッキを延伸させ、ビル3階部分と接続した。
隣接するビル「アグリスクエア新宿」と一体となって、敷地の約40%を占める広場(約1700平方メートル)を新設。タカシマヤタイムズスクエア敷地内の広場とつなげることで、歩行者の利便性や回遊性の向上を図る。
三菱地所の吉田淳一社長は竣工式で「エリアの中で新しい建物と建物、エリア同士、人同士、結びつき、交流をしっかりと盛り上げていくような内容だ」と述べた。
三菱地所は東京・新宿エリアでの再開発で、2011年に「新宿フロントタワー」(東京・新宿)、12年には「新宿イーストサイドスクエア」(東京・新宿)を完成させている。
(小田浩靖)