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ヒグマ、札幌で出没増加 専門家「人手足りない」

札幌市の住宅地に8月、ヒグマが連日出没し、ハンターによって駆除されるまで住民らは不安の日々を過ごした。専門家は、人口減少や高齢化によりクマが人間の生活圏に入り込むケースが続くとみており「対策に必要な人手も人材も足りない」と危機感を募らせる。

札幌市南区の住宅地に現れたヒグマ(8日、北海道警提供)=共同

札幌市や北海道警によると、ヒグマは8月上旬から同市南区の簾舞地区や藤野地区の住宅地をうろつくようになった。パトカーのサイレンやクラクションにも動じず、畑のトウモロコシや木によじ登って果物を食べた。

同14日早朝、南区の山中で体長140センチ、体重128キロ、推定8歳の雌のクマを地元猟友会が射殺した。南区は山や森林の面積が8割を占め、クマの出没件数も市内で最多。昨年度の出没情報は市全体で137件、うち123件は南区だった。

ヒグマに詳しい北海道立総合研究機構の間野勉部長によると、出没が相次いだ地区には農地だった場所が広がり、長年手入れがされず草地に覆われている。クマが農地跡で果物を食べて味を覚え、住宅地に入り込むようになった可能性がある。間野さんは「かつては住民による草刈りや見回りで野生動物の侵入を防いでいたが、人手が足りず管理が難しくなった」と指摘する。

南区の人口は最多だった1998年の約15万7千人から約13万7千人に減少。後継者不足などからブドウやリンゴの果樹栽培をやめ、放置された果樹園もある。北海道では冬眠から目覚める時期に実施されていた「春グマ駆除」という制度があったが、絶滅の恐れがあるとして90年に廃止。ハンターも減少した。

札幌市にはクマの駆除後、「麻酔で眠らせ山に返すべきだった」などの抗議もあったが、「仮に遠くの山に返しても、その近くで市街地が狙われることになる」と市の担当者。間野さんは「現状ではハンターによる駆除しか選択肢がない」と話している。〔共同〕

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