2019年9月22日(日)

トランプ氏、英に秋波 ジョンソン首相と初会談

トランプ政権
ヨーロッパ
2019/8/26 1:23
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【ビアリッツ(フランス南西部)=永沢毅】トランプ米大統領と英国のジョンソン首相は25日、訪問先のビアリッツで初めて会談した。トランプ氏は英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)後、米英の自由貿易協定(FTA)の早期締結に協力する方針を示し、EU離脱にも理解を示した。主要7カ国首脳会議(G7サミット)での孤立回避へ秋波を送るが、対中国政策などでの隔たりは大きい。

朝食会に臨むトランプ米大統領(左)とジョンソン英首相(右)(25日)=AP

「彼は素晴らしい首相になるだろう」。トランプ氏は会談の冒頭でジョンソン氏をこう称賛した。ブレグジットに関して「彼は私のアドバイスなど要らない。英がEUから離脱する任務に適任だ」と語ると、ジョンソン氏も「あらゆる関係を前進させる話ができるよう望んでいる」と応じた。

トランプ氏は迷走の末にブレグジットを実現できずに退陣したメイ前英首相を「彼女がもたらした混乱はひどい」などと批判し、メイ氏との折り合いは悪かった。一方で「合意なき離脱」も辞さないジョンソン氏への親近感は隠さない。

多国間主義や国際協調を軽視し、自国第一の姿勢で相通じるためとみられる。トランプ政権内には合意なき離脱について「もし英国がそう決めるなら、米国は熱狂的に支持する」(ボルトン大統領補佐官)と理解を示す声もある。

EU離脱後の経済安定に向け、ジョンソン氏が頼みとする米英FTAの早期締結についても、トランプ氏は「極めて迅速に合意できる。問題があるとは思わない」と表明し、秋波を送った。両首脳は経済協力の進展に向けたワーキンググループの設置で合意した。

24日から討議が始まったG7サミットで主な議題となる自由貿易や気候変動などで、トランプ氏と他の欧州諸国首脳らとの溝は大きい。ジョンソン氏の歓心を買い、自身が孤立する展開をできるだけ避けようとの思惑が透ける。「偽ニュースは米国と他の6カ国首脳との関係が緊張し、サミットは大惨事になると報じていた。各国首脳とはうまくやっている」。米英首脳会談の直前、トランプ氏はツイッターにこう投稿した。

一方、EU離脱後の国際的孤立を避けたいジョンソン氏にとっても米との関係強化が不可欠だ。ジョンソン氏はメイ前政権の方針を翻し、中東・ホルムズ海峡での米主導の有志連合への参加を決めた。

もっとも、米英間には個別政策の隔たりも横たわる。「英国は自由貿易の恩恵を享受してきた。関税は好ましくない」。ジョンソン氏は会談で、対中関税に反対の立場を伝達。中国の華為技術(ファーウェイ)を次世代通信規格「5G」の通信網から排除するよう求めるトランプ政権の要請にも英国は応じていない。対中関税やファーウェイ排除はいずれも米国の対中抑止策の柱だ。米国は米英FTAを取引材料に同社の排除受け入れを迫る可能性もある。

米英FTAの前途も平たんではない。「厳しい話し合いになる」。ジョンソン氏は25日の会談でこう語った。「合意なき離脱」によってアイルランド国境に物理的な国境ができたり紛争が起きたりすれば、米議会は米英FTAを批准しない可能性が浮上している。

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