飛翔体は「超大型ロケット砲」 金正恩氏が試射指導

日韓対立
2019/8/25 9:33
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24日、「超大型ロケット砲」の試射を指導する北朝鮮の金正恩委員長(中央)=朝鮮中央通信・共同

24日、「超大型ロケット砲」の試射を指導する北朝鮮の金正恩委員長(中央)=朝鮮中央通信・共同

【ソウル=鈴木壮太郎】北朝鮮の朝鮮中央通信は25日、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が24日午前、新型の「超大型ロケット砲」の試射を指導したと報じた。韓国軍合同参謀本部は24日朝、北朝鮮が東部の咸鏡南道宣徳付近から日本海に向かって短距離弾道ミサイルと推定される飛翔(ひしょう)体を2回発射したと発表しており、これを指すとみられる。

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同通信によると、24日に発射したのは新たに開発した超大型ロケット砲で、同日が初めての試射。「あらゆる戦術的、技術的な特性が計画された指標に的確に到達したことが検証された」としている。

韓国軍は発射時刻が朝6時45分ごろと7時2分ごろで、高度は最高97キロメートル、飛距離は約380キロメートル、最高速度はマッハ6.5以上と発表したが、同通信は詳細は報じていない。

金正恩氏は「本当にすごい武器だ。我々の若い国防科学者が一度も見たこともない武器体系を自分の頭で設計し、一発で成功させた。聡明(そうめい)で、大事を成し遂げた」と評価した。

25日付の労働新聞が掲載した「ロケット砲」の試射の写真=コリアメディア提供・共同

25日付の労働新聞が掲載した「ロケット砲」の試射の写真=コリアメディア提供・共同

金正恩氏は2016年8月24日の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射にも触れ、「8月24日は忘れられない良い日だ」と述べた上で「敵対勢力の増大する軍事的脅威と圧力攻勢を断固粉砕する戦略・戦術兵器の開発を引き続き力強く推し進めなければならない」と指示した。

北朝鮮による飛翔体は7月下旬以降7回を数える。北朝鮮は20日に終了した米韓合同軍事演習に強く反発し、ミサイル発射で米韓を強くけん制してきた。米韓合同軍事演習の終了後にはミサイル挑発を止め、米国との実務者協議の再開に動くとみられていた。

軍事演習が終わってからも発射に踏み切ったのは、韓国による日本と韓国の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄通告で揺らぐ日米韓の防衛協力に、さらなる亀裂を入れる狙いとの見方が韓国では強い。

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北朝鮮は経済制裁を緩めようとしない米国に強いいらだちを隠さない。李容浩(リ・ヨンホ)外相は23日、「米国が対決姿勢を捨てず、制裁で我々と対立しようとするなら、それは誤算だ」と強く非難。「我々は対話の準備も、対決の準備もできている」と警告した。米国との協議入りを前に北朝鮮の立場を強調し、交渉を有利に進める狙いもありそうだ。

韓国大統領府は24日、鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長が主催して国家安全保障会議(NSC)を開いた。北朝鮮が非難してきた米韓合同軍事演習が終了したにもかかわらず、短距離飛翔体の発射を続けていることに強い憂慮を表明。朝鮮半島の緊張を高める行為の中断を要求した。

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