米出版団体、アマゾン子会社を提訴 朗読にAIで字幕

2019/8/24 6:06 (2019/8/24 7:29更新)
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【シリコンバレー=白石武志】米国の有力出版社でつくる米出版社協会(AAP)は23日、耳で聞く本「オーディオブック」の配信サービスを手掛ける米アマゾン・ドット・コム子会社に対する訴訟を米ニューヨーク州の連邦地裁に起こしたと発表した。人工知能(AI)を使って再生中の音声に字幕を自動表示する新機能が、著作権侵害に当たると主張している。

AIを使って音声からテキストを自動作成するオーディブルの新機能(同社ホームページから)

AAP側が問題としたのは、アマゾン傘下のオーディオブック配信事業者である米オーディブルが自社サービス上で9月に提供開始を予定しているAIを使った字幕表示機能だ。利用者は同機能を有効に設定することで、スマートフォンなどで再生中の音声をテキストでも読むことができる。

テキストは一度に数行しか表示されないため、オーディブルは新機能の発表資料の中で「印刷物や電子書籍の読書体験を複製したり置き換えたりすることはない」と説明している。ただ、AAPのマリア・パランテ社長兼最高経営責任者(CEO)は23日付の声明で「オーディブルが著者や出版社、著作権法を故意に無視していることに失望している」と述べ、著作権所有者からの許可なく新機能を提供することを禁止するよう米裁判所に求めている。

AAPはAIを使って音声から生成するテキストに誤りが発生するリスクについても懸念を示した。オーディブルは一定の品質基準を満たした場合に限って新機能を提供するなど品質に配慮する姿勢を示しているが、パランテCEOは「不正確な文法やスペルは、読者を含めて影響を受ける全ての人にとって有害だ」と述べた。

オーディブルの広報担当者は同日、AAPの訴訟について「我々が新機能について出版社と話し合ったり協力したりしてこなかったかのように受け取れる内容に驚き、失望している」とコメントした。「権利侵害だとする主張には反対する」とも述べ、新機能の教育上の意義などについて理解を求めていく考えを示した。

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