中国の報復関税、米産業界が懸念 自動車や農業に打撃

米中衝突
2019/8/24 5:53
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【ニューヨーク=高橋そら、シカゴ=野毛洋子】中国国務院(政府)が米国が9月から発動する対中制裁関税「第4弾」への報復措置を発表したことで、米産業界からは影響を懸念する声が相次いだ。中国が9月と12月にそれぞれ発動する報復関税の対象には米国からの農産物や海産品のほか、自動車や原油、小型航空機も含まれる。米経済に幅広く影響が及ぶ。

独BMWは米国で生産した車を中国に輸出している=ロイター

「関税の応酬は米自動車産業に損害を与える」。米国内に工場を持つ日独韓などの自動車メーカーで構成する業界団体「ヒア・フォー・アメリカ」は23日の声明でこう懸念を表明した。中国は23日夜に発表したリストで、米国から輸入する自動車に12月から関税を上乗せすると明記した。

団体を率いるジョン・ボゼッラ氏は「報復措置を中国が最初に発動させた際、米国の完成車輸出は半減した。こうしたことが繰り返されてはならない」と述べた。中国による関税の上乗せが「米雇用を落ち込ませるリスクがある」と訴えた。独ダイムラーや独BMWは米国で生産した車を中国に輸出しており、追加関税による値上げで打撃を受ける。

米石油協会は同日の声明で「米中の貿易戦争は誤った方向に進んでいる。天然ガスに加えて原油が報復の対象になり、米エネルギー産業のリーダーシップと競争力が脅かされる」と主張。すべての制裁関税を速やかに撤廃するよう米政府に求めた。

農業界にも困惑が広がる。中国は大豆への追加関税5%を9月1日に、その他主要穀物への関税10%を12月半ばに導入する。米大豆協会(ASA)は声明を出し「米中貿易摩擦の長期化は昨年分の在庫と今年の収穫を抱えた農家の経営状況を悪化させる」(デイビー・ステファンズ会長)と述べた。

米アイオワ州で大豆農家を営むティム・バードール氏も「経営は苦しさを増しており、近隣でも3軒の農家が破産した」と苦しさを吐露した。中国商務省は6日、米国からの農産品購入を一時停止すると表明したばかりだ。米中対立の激化で関税の応酬が続けば、米経済の拡大を支えてきた雇用や消費への悪影響は避けられない。

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