琉球銀、離島のキャッシュレス支援 関連業務の収益4倍に

2019/8/24 19:40
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琉球銀行が離島におけるキャッシュレス決済の支援ビジネスを拡大している。地元の金融機関や企業・団体を通じてVISAカードなどの加盟店を募集。決済額に応じて加盟店から手数料を得る仕組みだ。沖縄県石垣市や宮古島市の観光協会などと昨秋提携したのに続き、今年は同県与那国町の商工会と提携した。手数料の一部は地元に還元、地域貢献と収益の両立を狙う。

琉球銀は7月、沖縄県与那国町や同町商工会、NTTドコモとキャッシュレス推進についての連携協定を結んだ。同町商工会を通じて飲食店や宿泊施設などの加盟店を募集。消費増税対策として端末導入費が無料になる国の補助事業の活用も視野に入れ、10月からサービスを始める。那覇市で記者会見した琉球銀の川上康頭取は「島の事業者の売り上げ増に寄与したい」と述べた。

琉球銀行が独自開発したキャッシュレス決済の端末

琉球銀行が独自開発したキャッシュレス決済の端末

同行が「キャッシュレスアイランド」構想を掲げ、支援ビジネスに乗り出したのは2017年。クレジットカードの国際ブランド、VISAとマスターカードとライセンス契約を結んだのが始まりだ。

最大の特徴は、同行がカード会社に代わってカード加盟店を募集し、端末を設置、加盟店に売上代金を支払う「加盟店業務」を担うこと。これにより加盟店が負担する決済手数料を得ることができる。当時、両ブランドの加盟店業務を同時に担うのは全国の銀行で初めてだったという。

離島ではキャッシュレス決済に対応した店舗が少なく、観光客から不満が出る一方、地元でも販売機会を失っているとの危機感があった。琉球銀のビジネスはそうした課題を解決する手段として考案された。手数料の一部は、加盟店の募集を委託する地元の金融機関や企業・団体に還元し、地域振興などに活用してもらっている。

また、決済端末の独自開発により、導入費も安く設定。月1350円というレンタル料で加盟店に提供している。カード業界では加盟店への売上代金の振り込みは通常は月2回だが、琉球銀に口座を開設すれば最短3営業日後に振り込み可能とし、加盟店の資金繰りを手助けしている。

端末はVISAとマスターカードのほか、主要な電子マネー、交通系ICカード、中国系QRコードなど23種の決済手段に対応。早ければ年内にも「PayPay(ペイペイ)」や「LINE Pay(ラインペイ)」など国内QRコード決済にも対応する予定だ。

加盟店は現在4500店程度で、21年度をメドに1万店を目指す。10月の消費増税時に経済産業省が実施する補助事業を活用すれば端末導入費はゼロになるため、これを追い風に加盟店を増やす。

同行は収益源を多様化するため、「役務収益」と呼ばれる各種の手数料事業の拡大に取り組んでいる。カード関連業務はその重点分野で、VISAデビットカードの発行業務などを含む同分野の収益は19年3月期(単体ベース)で約3億円。先行コストがかさんでトータルでは赤字だが、2年後をメドに黒字化し、4~5年後のカード関連業務の収益は12億円程度を目指す。(佐藤一之)

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